愛知県「BA.5対策強化宣言」5日発出へ コロナ対策本部会議で決定
愛知県「BA.5対策強化宣言」5日発出へ コロナ対策本部会議で決定
愛知県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議が4日、県庁で開かれた。第7波に対処するため「BA.5対策強化宣言」が医療関係者らに諮られ、5日から21日まで発出することが決定された。大村秀章知事は「お盆休みを挟んでしっかりと対策を強化し、第7波を乗り切っていければ」と述べた。 【動画】愛知県「BA.5対策強化宣言」発出へ コロナ対策本部会議(2022年8月4日)
高齢者や基礎疾患ある人の外出自粛要請など柱
県内の病床使用率は8月に入って60%を超え、新規感染者数も昨日1万7778人で過去最多を更新するなど感染拡大と医療体制のひっ迫が続いている。このため、政府が枠組みを定めた「BA.5対策強化宣言」を愛知、岐阜、三重の東海3県で足並みをそろえて発出する流れになった。 宣言の対象地域は県全域。県民には基本的な感染防止対策の再徹底と早期のワクチン接種を要請した上で、特に重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人たちと同居家族に対し、混雑した場所や感染リスクの高い場所への外出自粛などを求める。また、救急外来と救急車の利用は「真に必要な場合のみ」とするよう呼び掛ける。 大村知事は「今は(3段階のうちの)レベル2で1723床の入院病床を(レベル3に)引き上げるかどうかは医師会と相談していきたい。コロナ病床を増やせば一般病床が削られていく。そのバランスをどう取るかだ」と投げ掛けた。
医療関係者は「これ以上コロナ病床増やすのは疑問」
これに対し、同会議医療専門部会長で国立病院機構名古屋医療センターの長谷川好規院長は「病院によっては院内感染の対応で一般病棟を閉鎖してコロナ病棟に切り替えるなど、現場は厳しい対応を迫られている」と状況を説明。 一方で「患者の病状は過去と大きく違い、コロナ診療自体は通常医療の範囲で対応できている。中等症や重症患者もコロナの毒性ではなく、基礎疾患や誤嚥性肺炎、心筋梗塞や脳出血などで『検査するとコロナだった』と隔離を求められる状況。これ以上コロナの隔離病床を増やすと、現在のコロナ診療よりもはるかに医療を必要としている疾患に対する診療を止めなければならず、医療者としては逆転してしまう感じがある」と述べた。 愛知県医師会の柵木充明会長は、現在コロナ患者を引き受けていない病院で「ある程度(コロナ患者の検査や診療を)受けることを避けられない状態にある」と指摘。また、保健所関係者からは業務ひっ迫の訴えとともに「全数把握の見直しも考えていかざるをえない」などの意見も出た。 (関口威人/nameken)