【2024年韓ドラ振り返り】新世代イケメン・優しい世界・大ヒットバラエティ、観て損なしの大傑作5本を3つのポイントから紹介!
長男を演じるイケメン俳優チャン・ギヨンは私がずーっと推している俳優です。寂しさをこじらせた暗い瞳で登場しますが、心を開いた途端にまっすぐ甘える大型犬になるところが最高で、みなさんにもメロメロになっていただきたい! 彼の持つ超能力も「それ何の役に立つの」というものですが、これが本当に上手く二人の運命を結びつけていて、パタンと反転するようなハッピーエンドには「すごい脚本!」と唸るに違いありません。
『Mr.プランクトン』は、不幸のどん底で再会した元恋人、天涯孤独の二人組の人生最後の逃避行を描いた作品です。男の方ヘジョ(ウ・ドファン)は、ある事情から家族を捨て一人で生きている便利屋ですが、頭の中に腫瘍が見つかり余命三ヶ月を宣告されています。女の方ジェミ(イ・ユミ)は、孤児ながら名家の御曹司に惚れ込まれ、猛反対する母親を「妊娠した」という嘘で説得したのに、「早期閉経」と診断されてしまいます。 行き止まりの人生で、最愛の元恋人ジェミと再会したヘジョは、彼女を結婚式場からさらう形で、ある目的に向かって突っ走ってゆきます。ここにヘジョを追うヤクザ、ジェミを追う夫、その夫を追う義母が加わり、コミカルな騒動満点の追っかけっこが始まります。 ネタバレを避けて言えば、天涯孤独の二人はもちろんのこと、登場人物全員が必ずしも「血縁」には恵まれていません。そういう中で、ぶつかり合っていた人々は、気づけば互いを思い合っていて、「ああ、血縁なんて関係ないんだ、これが家族ってものなんだ」と思わせる展開には、本当に心が慰められます。
厳しい現実をふわっと雰囲気やご都合主義で誤魔化すことはせず、ラストには悲しみ、喜び、幸福感、寂しさ、そのすべてが混じり合った思いがぶわーっと溢れ出し、なのにこれ以上ない清々しさがあります。こんな「愛しかない」ドラマはちょっと見たことがありません。傑作です。そして突然下世話に戻って恐縮ですが、ウ・ドファンの色気もすごいです。
渥美 志保