【高校サッカー選手権】東福岡が攻守に渡って福大若葉を圧倒 6-0大勝で準決勝へ
11月3日、第103回全国高校サッカー選手権福岡予選2次予選準決勝が博多の森陸上競技場で行われ、第1試合で福岡大学附属若葉高等学校(以下、福大若葉)と東福岡が対戦。試合は開始直後の1分に先制点を奪った東福岡が攻守に渡って福大若葉を圧倒。6-0の大差で勝利して決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】 福大若葉 vs 東福岡 強さの証明。それはキックオフ直後から始まった。開始1分、福大若葉のクリアがこぼれたところに走りこんだ塩崎響(3年)が右足を振り切ってゴールネットを揺らすと、そのまま試合を掌握する。布陣はお馴染みの4-3-3。高い技術をベースにして最終ラインで丁寧にボールを回してでチャンスを窺い、アンカーの位置で攻守のつなぎ役として存在感を見せる大谷圭史(3年)がボールを配る。そして児玉愁都(3年)が巧みなテクニックで攻撃にアクセントを加えて、グイグイと福大若葉ゴールを目指す。 対する福大若葉は奥井星宇(2年)が最終ラインの中央に入る5-3-3の布陣。マイボール時には奥井が一つ前に上がった4-4-2の型から攻撃を組み立てるのが狙いだ。しかし、東福岡の圧力の前に、ただ構えるだけで前へ出て行くことができないままに時間が過ぎていく。 そして東福岡の追加点は34分。決めたのは起点にもなったのは児玉。左サイドへ展開すると、そのままゴール前へ。神渡寿一(3年)の折り返しを塩崎が落としたところを左足で流し込む。そしてここから東福岡のゴールラッシュが始まった。 3点目は後半開始直後の43分。神渡が中央をスルスルとドリブルで運んで裏へ抜ける塩崎にスルーパス。これを塩崎がダイレクトで振り抜く。これで事実上の勝負は決まったかに思われたが東福岡は攻撃の手を緩めない。その2分後には伊波樹生(3年)が中央で粘って落としたところに神渡。さらに78、79分と交代出場の稗田幹男(3年)が立て続けに決めて6-0。ただの一度もピンチを迎えることなく決勝進出を決めた。 今夏の高校総体福岡県大会準決勝の再現となった試合は激しい戦いが予想されたが、意外と思えるほどの大差が付いた。夏の戦いでは東福岡に3-0で勝利して初の全国の舞台への切符を手にした福大若葉は、今大会も制して高校選手権でも初の全国の舞台を目指したが、前後半を通して放ったシュートは僅かに2本と、東福岡の前に何もさせてもらえないままに敗れた。2019年の創部以来、着実に力をつけてきた福大若葉だが、まだまだ厳しい戦いが待っていることを教えられる形になった。それは強豪校と呼ばれる高校がかつて通ってきた道。その壁を乗り越えることで「新鋭」から「強豪」と呼ばれる日がやってくる。それを次のチームに託して今大会の膜を閉じた。 そして東福岡。プレミアリーグWESTで戦い続ける実力は福岡県内ではNo.1であることは誰もが認めるところ。だが、目の前の一戦にすべてをぶつけてくるライバル校のチャレンジを跳ね返せずに、過去3年間の全国大会出場は一昨年の高校総体の1回に留まる。だからこそ今大会に懸ける想いは特別のものがあるのだろう。準々決勝以降の戦いぶりがそれを示している。3年ぶりの全国高校選手権の舞台まであとひとつ。準備は整っている。 (文・写真=中倉一志)