若返りも期待「夕食後16時間は食べません」医師が実践する食事法で腸内環境が改善
朝食を飲み物に置き換えるだけ
ただ、16時間と聞くと、長くて続けられない……と感じる人も少なくないだろう。 「おすすめは、比較的無理なく実践しやすい朝食の断食です。夕飯後から翌日の昼食まで食べない時間をつくります。16時間のうち、およそ半分の7~8時間は睡眠時間なので、空腹を我慢するのは寝る前の4時間と、起きてからの4時間だけ。そこまでハードルは高くありません。 また朝は前日に食べて身体にたまっているものを排泄(はいせつ)する時間帯なので、しっかり朝食を食べるのは実は身体の生理にも反しているんです。朝食断食は余分なものを排出する手助けにも有効です」 ちなみに断食中も水分はいつでもとることができる。特に朝はエネルギー源となる糖質が入ったジュースなどもOKだ。 「私は朝食に、にんじんりんごジュースを飲んでいます。朝食には紅茶にすりおろしたしょうがを入れたしょうが紅茶もおすすめ。 お昼は意外とすぐにくるので続けやすいですよ。小腹がすいたときは黒糖入りのしょうが紅茶をよく飲みます。たまにココアを飲むことも。 また、16時間の間にどうしても空腹が我慢できないときは、できるだけ胃腸に負担の少ないナッツやドライフルーツ、みそ汁、高カカオチョコレートなどを食べるのがおすすめです。私は家とクリニックにナッツ、みそ、ココア、あとは梅干しを常備しています」
食事は腸内環境にいいものを腹八分目
断食明けとなる昼食は、胃腸の負担にならない消化によいものを選ぶのがコツ。夜は好きなものを食べることができる。 「お昼は、胃腸に負担の少ないそばなどがおすすめ。私も昔はわかめそばを食べていましたが、10年前ころから昼食後に眠気やだるさを感じるようになって、代わりにしょうがたっぷりみそ汁と梅干しを食べるようになりました。 夕食は何を食べてもいいですが、腹八分目で止めるのがポイント。私は肉の脂質が苦手ということもあり、和食が基本です。毎日もずくや納豆、刺身、煮物、キムチなどの漬物など食べて腸内環境にも気を使っています」 石原先生はこうした16時間断食を18年間続け、劇的に体調が改善されたという。 「研修医時代、不摂生と寝不足、ストレスが重なって常に体調が悪くなり、生理も止まってしまったんです。そこから朝食をにんじんりんごジュースに切り替えて16時間断食を続けたところ、ひどかった生理痛や便秘と無縁になり、体調もすごくよくなりました。 2人の子どもの妊娠中や産後も続けましたが、授乳中一度も乳腺炎になることもなく、長年不調知らず。健康だけでなく、ダイエットや美容にも効果的なので本当におすすめです」 最後に注意したいのが、断食を始めるタイミングだ。 「仕事が忙しくストレスがたまっているときや食欲が増す生理前などは挫折しやすくなるため避けたほうがいいでしょう。できるだけ気持ちにゆとりがあるときに始めるのが続けるコツです。 慣れるまでは、断食の時間を12時間や14時間で試してみるのもあり。週末1日朝食断食するだけでも効果があるので、無理のない範囲で続けてみてください」 ※持病のある方はかかりつけ医に相談のうえ、実施してください 名医の格言 ・1日3食は胃腸の疲弊や肥満などを招き、体調の不調やさまざまな病を引き起こす ・朝ごはんを飲み物に置き換えるだけで身体への負担が減り、健康や若返りが期待できる