【闘病】頻繁につまずくのは「シャルコー・マリー・トゥース病」のせいだった
山田さんは、19歳のときにシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)の確定診断を受けました。その後は、当事者活動をはじめ、患者会「CMT友の会」代表や、CMT研究班の研究協力者として活動されています。 【画像】山田さん、作業療法士としての姿や娘さんとの写真 現状、下肢の筋力低下と変形、手指の筋力や巧緻性の低下、呼吸機能の低下などが見られますが、日常生活ではカーボン製短下肢装具とロフストランド杖を使用して過ごしているそうです。 いまでは自身の体験を活かしながら作業療法士になった山田さんに、原因が特定できなかった当時の想いや、今後の目標などについて話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
幼少期から18歳まで周囲とのズレを感じていた
編集部: シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)とはどのような病気ですか? 山田先生: CMTは末梢神経の異常によって、手や足の感覚と運動が徐々に障害されていく遺伝性の進行性神経疾患です。遺伝性運動感覚ニューロパチーとも呼ばれています。日本では6250人ほどの患者さんがいるようです。 編集部: CMTにはどんな症状がありますか? 山田先生: 手足の先端の方から症状が表れ、筋力低下や筋肉の萎縮、触覚や位置覚の低下が起こっていき、歩きにくくなったり、手先の細かい作業が苦手になったり、疲れやすくなったりしていきます。 残念なことにCMTを完治させる治療法や、進行を遅らせる治療法として確立されたものはないそうです。 編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 山田先生: 4歳頃から足の変形(内反足変形)が始まり、なにもないところでつまずくようになりました。つま先立ちができない、スリッパが脱げる、縄跳びができないなど、周囲との違いがたくさんありました。 近所の整形外科を受診しても原因はわからず、何件か整形外科を回ったのちに大学病院で診断を受け「先天性の内反足ではないか?」と診断されました。 編集部: その時は、どのように治療を進めていきましたか? 山田先生: 足の変形を改善するために腱移行や関節固定などの外科手術をおこない、矯正のための装具療法と機能維持のためのリハビリを受けました。成長に合わせて再手術することも考えられると説明がありました。 編集部: 入院や治療の内容を教えてください。 山田先生: 小学校2~3年生の時に、後脛骨筋腱移行術を実施して、数か月の入院とギプス固定をしました。その後は、インソールを作成し、理学療法士とともに歩行訓練を続けました。 変形予防のために、夜間装具を作成しましたが、矯正のあまりの痛さに泣きながら装具を放り投げたのを覚えています。 しばらくは変形が収まっていましたが、成長に伴って再び変形が進行し、中学1年生のときと18歳のときに再手術、再々手術で足関節の三関節固定術を実施しました。