「世界は待ち望んでくれているだろうか?」現地ロシアでフィギュア連盟会長が語った…ミラノ・コルティナ五輪参加が認められた“ロシア選手の現状”
12月20日、国際スケート連盟(ISU)は、過去3年間国際大会への出場を禁じられていたロシアとベラルーシのフィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックの選手に対し、厳しい条件付きで2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックへの参加を認めると発表した。 【写真】「メダル争いは間違いない」国内選手権で優勝したロシア女子選手(17歳)の実際の演技写真。12月に行われた全日本選手権で4連覇した坂本花織の美演技も。この記事の写真を見る。 国際オリンピック委員会(IOC)からの要請もあり、2024年パリ夏季オリンピックでも条件付きでロシア選手が出場したことを考慮すると、予想されていたことともいえる。 ISUは「オリンピックに出場することは、スケーターとしてのキャリアの頂点であるという認識で、慎重に検討した」と表明した。
ミラノ五輪への参加が可能となったロシア
今季のロシアフィギュアスケート選手権は12月18日から22日、シベリアのオムスクで開催されていた。ISUの発表は、奇しくもこの大会の真っ最中になされたのである。 フィギュアスケートでは、ロシア(とベラルーシ)は、連盟が推薦する選手、各種目1名または1組を、9月に北京で行われるオリンピック選考会に出場させることができることとなった。ちなみに復帰は個人戦のみで、団体戦はない。 現在のロシアのトップ選手の実力を考えると、選考会で振り落とされるということはまず考えられない。ではどの選手がミラノに出場することになり、どのような展開となるのだろうか。 ロシア選手権を現地で取材した、ドイツ人ジャーナリスト、タチアナ・フラード氏に見解を聞いた。
成績以外にチェックされる“ある条件”とは
今季のロシア選手権の優勝選手が、そのまま推薦されるのだろうか? そう聞くと、フラード氏ははっきりと「ノー」と答えた。 「ロシアの連盟は、出された条件にパスしそうな選手を注意深く選ばなくてはならないでしょう」 参加の条件の中に、ロシアの軍隊と関わり合いを持ったことがないこと、ウクライナ侵略戦争への積極的な支持を表明したことがないことが入っている。ISUとIOCの両組織が別個に、各選手の記録を2022年の開戦当時から遡って、SNSの書きこみから言動などを厳密に調査するのだという。 「この『支持』というのがどのくらい厳しく判断されるのか、それが重要なカギになってきます」とフラード氏。 例えば2022年にエフゲニー・プルシェンコがアイスショーのツアーを行った際、ある開催地では地元の自治体がリンク中を戦争支持を象徴するZの文字で飾り立てた。中にはエリザベータ・トゥクタミシェワのように、政治色の強い背景で滑ることに抵抗を示したスケーターもいたが、大多数はそのままショーに出演した。 「このショーに出場したことが、戦争を支持したと解釈されるのかどうか、そこはまだわからないのです」 2024年パリ夏季オリンピックでは、結局こうした調査を経て出場が許可されたロシアの選手は全種目を通して、わずか15人だった。
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