台湾有事「2027年」に注意? 米中が全面衝突で“食べ物に困る”事態も ガソリンや灯油…生活への影響を検証【戦後80年】
■専門家たちが気にする「2027年」
小野解説委員 「日本の周辺の海で、中国の圧力が強くなっているのがわかりますね。では、台湾有事が起きるとすればいつなのか。専門家たちは、2027年を気にしています」 「米軍司令官は去年3月20日の米下院軍事委員会で『中国軍が2027年までに台湾に侵攻する準備を整える』と述べています」 杉原アナウンサー 「2年後ですが、どうして2027年なのでしょうか?」 小野解説委員 「習近平国家主席が中国共産党の総書記として、3期目から4期目に入ろうという年です。この大事な節目の年に、台湾統一というレガシーを軍事力を使ってでも実現したい。そう考えるのではないか、ともみられているからです」
■沖縄の島民ら12万人が九州へ避難
杉原アナウンサー 「この時に台湾有事になるかもしれないということですが、日本の私たちの生活にまで影響が出る可能性はあるのでしょうか?」 小野解説委員 「武力攻撃の可能性が高まった段階で対応が必要になります。まず避難です。台湾に近い沖縄の島の人たちなど約12万人に、九州に避難してもらうのが政府や県の計画です。『住み慣れた場所を離れたくない』という声も既に上がっています」
■台湾を取り囲むような軍事演習
小野解説委員 「もう1つは、原油や物資です。日本への輸入に影響がありそうです。中国が台湾侵攻を想定して2回行った去年の軍事演習で、軍が展開した動きを図でたどると、ある特徴がわかります」 杉原アナウンサー 「(2回とも)台湾を取り囲むようにして軍事演習を行っています」 小野解説委員 「軍事力で周りを封鎖して、資源や物資が入らないようにするということを考えているかもしれません。ただ、この海域は日本にとっても大事な場所です」
■台湾周辺の海域封鎖で…タンカー迂回
小野解説委員 「船の動きをトレースした図で確認すると、台湾周辺の海域は、中東から日本に原油を運ぶルートでもあることがわかります。日本向けの95%がここを通るといいます」 「もし中国がこの海域を封鎖したら、日本に原油を運ぶタンカーは台湾周辺を避けて大きく迂回することになりそうです。このことだけでも影響があると、専門家はみています」 日本エネルギー経済研究所・久谷一朗研究理事 「輸送コストが上がってしまうということを踏まえて、通常我々が見ている平時のマーケットとは違うレンジの上がり方をすると思います。まず影響が考えられるのはガソリン価格、それから暖房用の灯油。こういった物が値段も上がってくると思います」