自分でつくる年金「iDeCo」に“入れる人”と“入れない人”とは?
iDeCoが最も利用しやすい人とは?
こうして考えてみると、やはりiDeCoが最も利用しやすいのは、もともと加入することができた自営業やフリーランスの人、そして企業年金のない会社に勤めるサラリーマンなのです。こうした人たち、例えば自営業の人などは厚生年金に入れませんから老後の公的年金はどうしてもサラリーマンに比べて少なくなります。だからiDeCoを使って自分で老後に備えるべきなのです。同じく企業年金のある会社のサラリーマンと比べると、ない会社のサラリーマンはどうしても老後資金が少なくなりますから自分で備えるためにiDeCoが大切になってくるのです。 同様に公務員の場合は共済年金が廃止になり、厚生年金と一元化されましたから、どうしても年金は少なくなる傾向になります。そこで公務員もiDeCoに加入できるようになりましたし、それまでは個人で加入できる年金制度が何もなかった専業主婦(夫)も加入できるようになったというわけです。 いずれの場合も共通するのは「自助努力で老後に備えることが大切ですよ」ということであり、今回の法改正はおそらくそういうことに対する国からのメッセージだと考えておいたほうが良いでしょうね。 (経済コラムニスト・大江英樹) 日本証券アナリスト協会検定会員、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、行動経済学会会員。著書に『定年楽園』『その損の9割は避けれる』(三笠書房)『老後貧乏は避けられる』(文化出版局)、最新刊に『はじめての確定拠出年金投資』(東洋経済新報社)など著書多数。