「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
内外装だってモダン
試乗車が纏うアバンギャルドブロンズメタリックという長い名称のボディカラーは、雨天でほの暗かった試乗日の天候にマッチしていて、渋く輝いている。ボディは垂直と水平な面を基調にした四角いもので、他のランクルにないモダンなスタイルだ。販売店装着オプションとして丸目モデルも選べるようで、こちらはお好みで。 高い位置にあるドライバーズシートに収まった時の視界は、中央が凹面になったボンネット形状と水平のダッシュボード、低い位置にある左右のウエストラインのおかげで大きく開けている。縦長のドアミラーに映るボディサイドの位置も、わかりやすい。 フルデジタルの表示部(ZXは12.3インチTFTカラー式)はスタイルが選べるし、グラフィックが見やすいので、新しいもの感がある。シートの2列目はタンブル&リクライニング式。3列目は電動(ZX)の格納・展開式で、畳んでしまえば広大な荷室空間が出現する。ZXのシート素材はチェスナットカラーの本革だ。 ゴツいシフトレバー右側には、ドライブモード(エコ、ノーマル、スポーツ)、MTS(オート、ダート、サンド、マッド、ディープスノー、ロックのマルチテレインセレクト)、CRAWL(悪路走行時に使用するクロールコントロール)などの電子制御系、センターコンソールにはSDM(スタビライザーディスコネクトメカ)、電動デフロック(センターとリア用)、トランスファーギア選択レバー(H4/L4)などのドライブメカ系が合理的かつ整然と並んでいて、それらの選択がとてもしやすくなっている。 加飾もギラギラしていないパーツを使用していて、モダンな仕上がりになっている。
ランクル兄弟で“250”を選ぶ理由とは?
何が何でもフラッグシップを、という方なら“300”を、クラシカルなスタイルと走りに憧れるなら“70”を。だとしたら、“250”を選ぶ理由は、といわれると、そのユーザーフレンドリーな性格と、今時のクルマらしい走りを実現しているところだろう。 ZXの735万円という価格は上位の“300”に丸被り、という部分があるけれども、その作り分けの差から考えて、悩むこともないと考える。あとはいつ手に入るのか、ということだけだ。 ■SPECIFICATIONS トヨタ ランドクルーザー“250” ZX|Toyota Land Cruiser“250” ZX ボディサイズ:全長4925×全幅1980×全高1935mm ホイールベース:2850mm 車両重量:2410kg 駆動方式:フルタイム4WD エンジン:2.8リッター直列4気筒ディーゼル 最高出力:150kw(204PS)/3000-3400rpm 最大トルク:500Nm(51kgf-m)/1600-2800rpm トランスミッション:電子制御8段AT 価格:735万円(税込)
文・写真= 原アキラ