「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
さすが最新設計、走りがモダン!
ではその走りはどうかというと、とてもいいのだ。試乗車は、最上位グレードのZX(3列シート7人乗り)。車重が2.4t以上あるにも関わらず、スタート時はボディがスッと前に出る。8段ギアの1速が低いギア比であるのと、直列4気筒ディーゼルエンジンが発揮する低回転域からのトルクによって、駆動力がしっかりと路面に伝わっている感覚がダイレクトにわかる。 そして、ラダーフレーム&リジッドアクスルサス特有のクセであるボディの揺らぎが上手に押さえ込まれているので、まるでモノコックボディの普通車に乗っているような、快適な乗り味が実現できているのだ。これは、高速道路を走っても同じ。直進性が優れているので、当て舵を与える必要がなく真っ直ぐ走る。 “300”や“70”で感じた、加速時のノーズアップや減速時のノーズダイブというピッチングの動きは影を潜め、さらにコーナリング時に顔を出していたボディの上下が捩れるようなヨーイングが感じられない。 唯一“250”だけが採用した電動パワステのチューニングの良さも効果を発揮していて、さすが、ランクル兄弟の中で最も設計年次が新しいことを証明している。 発進時や、高速への合流時にアクセルを強く踏み込むと、「ガラガラ」というディーゼル音は、結構車内に侵入してくる。ただしこれは、大きなクロカンモデルを操っているというエンターテインメントの一つと考えればいいわけだ。一方でクルージングを始めると、エンジンは低回転で粛々と回り始めるので、音は全く気にならなくなる。 ブラック塗装の20インチホイールに装着したダンロップ製SUV用「グラントレックPT22」(265/60R20サイズ)はトレッドデザインが細かなサマータイヤなので、それも静かな走りに寄与している。ZXは14スピーカーの「JBLプレミアムサウンドシステム」を搭載していて、それを楽しむことができる余裕の静粛性能を身につけている。 2時間ほど走り回った時の燃費は9.8km/Lを表示(WLTCモード燃費は11.0km/L)。80Lの燃料タンクを軽油で満たせば、相当な航続距離が見込める。