【無意識の危険行動ががまさに破壊兵器】飛行機に向けて「コインを投げてはいけない」、これだけの理由
2019年、中国人男性のルー・チャオ氏が初めての飛行機旅行で、安全祈願としてエアバスA320neoに小銭を投げ入れ、問題を引き起こした。この行為により飛行機のエンジンが損傷する可能性が指摘され、フライトがキャンセルされた。チャオ氏は公共秩序を乱したとして10日間の拘留処分を受け、さらに航空会社から約186万円の損害賠償を請求された。 【写真集】9の愛すべき珍飛行機、怪飛行機:この“変てこさ”がいいね、と言ってしまえばそれまでですが、実はその多くは、航空力学理論の立証や発展のためにつくられたものだったのです。
航空技術の専門家が明かす、コインを投げることで生じる恐れのある事故の可能性について。
ニューヨーク州立大学の航空工学科ジャヴィッド・バヤンドール准教授によれば、飛行機は空中で接触する可能性のある障害物(代表的なものとして鳥)を想定して設計されている。しかし、コインなどの異物がエンジン内部に入り込む事態は想定外である。バヤンドール准教授は、エンジンが鳥の侵入といった自然の障害には対応できるよう設計されている一方、金属製のコインが入り込めば、エンジン内の高速回転部品に当たって深刻な損傷を引き起こす可能性があると述べている。 「運動量(衝撃力)=質量 × 速度」という公式の通り、エンジンの高速回転によって弾き飛ばされたコインは、破壊兵器に匹敵する威力を持ち得る。 もちろん、飛行機のエンジンは頑丈に設計されている。それでもなお、「特にコインのような異物を投げ入れる行為は、極めて愚かであり、重大な危険をもたらす行為でしかない」と、バヤンドール准教授は強調する。
このような背景から、飛行機にコインを投げ入れる行為は重大な危険を伴うものであり、厳に慎むべきであるとの警告がなされている。元記事では、中国ではコインを投げる行為が日常的に見られると指摘されているが、航空機においてはその危険性が強調されている。