スズキが10年先を見据えた技術戦略を発表。5つの柱を具体例も合わせて紹介
2)バッテリーリーンなBEV(バッテリー電気自動車)/HEV(ハイブリッド車)
国や地域の再生可能エネルギー化の状況、ユーザーの使用状況に合わせ、最もエネルギー効率が良い選択となる「適所適材な電動車をユーザーに届ける」ことを目指し、小さく効率が良い電動ユニット、小さく軽い電池など「小・少・軽・短・美」を体現し、エネルギーを極少化した電動車を開発する。 会場には、現在ヨーロッパ仕様で採用している48Vマイルドハイブリッドを進化させ、10kW程度のモーターを採用したバッテリーリーンなハイブリッドシステム「48Vスーパーエネチャージ」や、バッテリー電気自動車用の小さく軽く高効率なEアクスルを展示。いずれも現在開発中のものだ。
3)効率の良いICE(内燃エンジン)やCNF(カーボンニュートラル燃料)技術
2023年に発表された新型スイフトに搭載された新開発のZ12型エンジンは、内燃機関の根幹となる燃焼を追求した高効率で、最大熱効率40%を達成した。今後はこの高効率エンジン技術を全展開するとともに、カーボンニュートラル燃料対応や、次世代ハイブリッドによるエネルギー極少化を実現する。 具体的には、この技術を軽自動車や小型車のエンジンに展開し、またCNFの高速燃焼による高効率化や排ガスのクリーン化を目指し、さらにハイブリッドシステムのスーパーエネチャージにも対応したエンジンを開発していく。
4)SDV(ソフトウエア ディファインド ビークル)ライト
昨今のクルマで注目されているSDVについても、スズキは「小・少・軽・短・美」によるエネルギー極少化を具現化したアフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDV ライト」を開発する。ライトは「light(軽い)」ではなく「right(適切な)」、つまり使い切れないような機能ではなく、必要十分なものをユーザーに提供する。 たとえばADAS(運転支援技術)は、国によって交通事情が違うため、世界中のユーザーに最適なものを目指す。具体的には、インドの街中の渋滞でも活躍できるようなADASを開発をしていく。必要以上の機能ではない「ちょうど良い」を目指していく。