「父だけではなく、まさか母まで…」両親認知症で2000万円費やす壮絶体験「母の認知症に気付いたのは冷蔵庫の中のアレでした」
「母が頑なに拒否をしたんです。今思えば、彼女にもそういう症状が少しあったのかもしれません。結局、近所の人や医者の協力を仰ぎながら、母が不在の時に認定を取りました」。 さらに事件は続く。徘徊していた父が階段から落ちて、病院に担ぎ込まれたのだ。ここで持ち上がったのが、高額な入院費用と3ヶ月という転院までの期限だ。 「担ぎ込まれた先には、認知症専門の科はなく、看護師がつきっきりで介護をしながらの入院になります。金額はなんと月に90万円近くになるというんです。さらに当時の制度では入院できる期間は3ヶ月。その間に次の転院先を見つけなければならない。到底無理な話です」。 なんと今はさらに短い期間での転院を余儀なくされることもあるそう。 病院のソーシャルワーカーと相談してなんとか次の病院を確保。しかし、さらなる悲劇が平塚さんを襲う。 「今度は母親まで認知症になってしまったんです…。ある日、冷蔵庫の中をみて、腐った生肉だらけだたっときに『今度は母さんもか』と絶望しました。 認知症はうつる。これは私の持論ですが…。これから始まるW介護の日々で、両親の預貯金2000万円はあっという間に使い果たしました」 【後編】では、母親と父親のダブル認知症介護の顛末に起きたことについてさらに詳しく話を聞いていきたい。 取材・文/悠木 律