宝生流の古面を一挙公開、国立能楽堂で「宝生宗家展」が開催中 復曲能「雷電」や新版「武文」上演も
東京・国立能楽堂 1階展示資料室にて、特別展「宝生宗家展」が開催されている。 本展では南北朝時代に始まったシテ方五流の1つ、宝生流に伝来する能面や能装束が展示される。宝生流の面装束は舞台で実際に使われているものが多く、このような大規模展示は今回が初めて。宝生宗家では、能面約170面が江戸時代に“本面”“写し”として整備され、その大半を関東大震災の焼失から守り、保存してきた。一部には、戦前の重要美術品、戦後の重要文化財として国の指定を受けているものもある。 【画像】令和6年度国立能楽堂特別展「宝生宗家展」チラシ裏(他5件) 今回の展示では、名作能面の数々を展示替により3期に分けて紹介するほか、厳選された能装束の一部、幕末に作成された宝生宗家文書の写しが初公開される。入場は無料。会期は3月29日まで。なお、2月21日には野上記念法政大学能楽研究所の宮本圭造所長・教授を迎え、特別公開講座「宝生宗家展 2」が開催される。1月6日まで、2月10日から18日まで、月曜は休室となる。 さらに本展にあわせて、2月28日には“月間特集 絵巻物と能”の「特集・菅原道真」として国立能楽堂にて、「国立能楽堂2月企画公演 弓矢太郎・雷電」を上演。明治期に廃曲とされ、2011年に復曲試演された「雷電」を、シテ方宝生流20代宗家の宝生和英が勤める。野村万蔵出演の狂言「弓矢太郎」、金剛永謹、金剛龍謹出演の舞囃子「老松」も披露される。加えて、3月28日には「国立能楽堂3月特別企画公演 袴裂・武文」として、1987年に国立能楽堂で復曲初演された「武文」を新演出で披露。金井雄資、宝生欣哉、野村萬斎が出演する。「国立能楽堂2月企画公演 弓矢太郎・雷電」のチケット一般販売は1月10日、「国立能楽堂3月特別企画公演 袴裂・武文」のチケット一般販売は2月10日にスタート。 ■ 令和6年度国立能楽堂特別展「宝生宗家展」 2024年11月23日(土・祝)~2025年3月29日(土) 東京都 国立能楽堂 1階展示資料室 ※月曜は閉室。 ■ 国立能楽堂2月企画公演 弓矢太郎・雷電 2025年2月28日(金) 東京都 国立能楽堂 □ 出演 舞囃子「老松」紅梅殿 金剛永謹 狂言「弓矢太郎」 野村万蔵 復曲能「雷電」替装束 宝生和英 ※字幕あり。 ※学生料金あり。 ■ 国立能楽堂3月特別企画公演 袴裂・武文 2025年3月28日(金)・29日(土) 東京都 国立能楽堂 □ 出演 「天正狂言本」と古画による 狂言「袴裂」 野村又三郎 復曲能[新演出]「武文」 金井雄資 / 宝生欣哉 / 野村萬斎 ※字幕あり。 ※学生料金あり。