高まる巨大地震のリスクの裏で進む「防災道の駅」開発、意外すぎる4つの事例とは?
陸路、海路でさまざまな物資を輸送し、私たちの生活を支えるコンテナ。最近ではモノを運ぶだけでなく、コンテナを“魔改造”することでトイレ、入浴、キッチンなどの多様な機能を備えた「高付加価値コンテナ」が増えています。移動が簡単で機動的に設置できる高付加価値コンテナのメリットに国も着目し、全国にある「道の駅」を防災拠点などとして活用する(「防災道の駅」)方針を打ち出しています。高付加価値コンテナとはどういうもので、私たちの暮らしに本当に役立つのでしょうか。国土交通省が2024年4月に公表したガイドラインを基に、4つの自治体事例を交え解説します。 【詳細な図や写真】高付加価値コンテナの4類型(出典:国交省「道の駅」における高付加価値コンテナ活用ガイドライン)
高付加価値コンテナとは、3つのタイプ
まず、「高付加価値コンテナ」とはどんな機能を持ったコンテナなのでしょうか。国土交通省が2024年4月に公表した「『道の駅』における高付加価値コンテナ活用ガイドライン」は、「高付加価値コンテナ」を次の(1)(2)の両方の機能を満たすコンテナとして定義しています。 (1)運用場所を柔軟に変更できるよう可動性を備えていること (2)従来の活用方法を超えた新たな価値を付加し、平常時・災害時に有効活用できる空間としてのコンテナであること 1ページ目を1分でまとめた動画 この定義にもとづく高付加価値コンテナのタイプは「搭載型」「自立搭載型」「けん引型」の3つに大別されます。 ・搭載型 一般的な海上輸送コンテナや鉄道コンテナを指します。サイズの選択肢が豊富で、内装変更の自由度も高く、経済性や汎用(はんよう)性にすぐれているのが特徴です。主に防災トイレや起業支援のための多目的貸しスペースなどに用いられています。 ・自立搭載型 搭載型コンテナにジャッキなどを附属することで、コンテナが自力で昇降でき、フォークリフトやクレーンによる積み降ろし作業を省略できるコンテナです。主に物販や備蓄倉庫などに用いられています。 ・けん引型 コンテナを車台に搭載したまま使用するもの(コンテナハウス)と、一般的なトレーラーハウス(居室部分とシャシー・車輪が一体となっているもの)が該当します。コンテナの積み降ろしが不要で、けん引車両のみで運搬することができます。コインランドリーや従業員向けの休憩スペースなどへの活用事例があります。