人の生死と向き合う“重み”…女子大学生が見て、聞いて、感じた能登の被災地の今 ただの「怖い」から行動へ
地震で300棟が焼失したとされる「輪島朝市」に到着した。そこには、ニュースで見たのと全く変わらない光景が広がっていた。
加藤千沙さん: 「本当にあったんだなって。自分の目で見て感じました。」 加藤光稀さん: 「驚いています、ただ。風が吹くたびに瓦礫の音とかがして、今まで生きてきた中でそういう音きいたことがないから、怖いし、やっぱり」
2人は、朝市を拠点に、輪島塗りなどの漆器を制作している桐本滉平(きりもと・こうへい 31)さんから話を聞いた。桐本さんの自宅兼工房は、火事で全て焼けて、跡形もなくなってしまった。
桐本滉平さん: 「(地面と橋の間に)この幅があるから、どの車も通れなかったんですよね。これだけ地面が上がったことになる」
火事のことについて話を聞いていく、千沙さん。 加藤千沙さん: 「ここら辺で漏電が始まったんですか?」 桐本滉平さん: 「この辺で火が最初に上がって、あっちに燃えていった」 加藤千沙さん: 「実際に、火事のことが分かった時の心情とかお聞きしてもいいですか?」 桐本滉平さん: 「なかなかそれが現実だっていうのは、受け入れられなくて。大津波警報がずっと発令されていて。生き埋めになっている人がいっぱいいるんじゃないかっていうような状況だったんですよ。だから、皆さん家の中で生き埋めになった状態で火が回ってくるのを結局待つだけ、そのまま焼けてしまったっていう方が20名以上いらっしゃいますね」
桐本さんは、「被災地が復興を遂げるまで注目し続けてほしい」と訴えた。 桐本滉平さん: 「復興が進んでないということを、ニュースですごくご覧になっていると思うんですけど、それで終わったら意味がなくて。ここから誰がどうやって、復興していくのかっていうところには常に注目し続けていただきたい。やっぱり、忘れないでほしいですね」 取材を経験した千沙さんだが、“課題”を抱えていた。 加藤千沙さん: 「まだ現実な感じがしていなくて。変わっていない景色にすごく驚いた」 Q当事者に聞きづらいことはあった? 「実際、生死にかかわることは聞けなかった、思い出させてしまうんじゃないかとか、記憶を蘇らせてしまうんじゃないかって思うとやめようって思いました」