「性行為を強要された」と訴えた俳優、劇作家と和解 双方がコメント
原発事故を題材にした演劇「福島三部作」で岸田国士(くにお)戯曲賞を受賞した劇作家の谷賢一さん(42)から性行為を強要されたなどとして、福島県飯舘村出身の俳優・大内彩加(さいか)さん(31)が谷さんに賠償を求めた訴訟は、東京地裁で和解が成立した。27日付。双方が和解成立を明らかにしたが、内容は公表していない。 【写真】映画界の加害問題「議論を」 キネマ旬報にライター有志が意見広告 訴状によると、大内さんは谷さん主宰の劇団に2018年から所属。主宰者としての優越的な立場に乗じた谷さんから、同年7月に性行為を強いられ、日常的に体を触られたと訴えていた。 大内さんはブログで、谷さんから体を触られたことについて「(大内さんの)真摯(しんし)な同意があったとは認めがたい」とする意見を地裁が示したとして、「いわゆる『勝利的和解』と受け止めている」と説明した。「被害者、加害者を出来るだけ業界から出さないように行動、発信を続けたい」とも述べた。 谷さんはサイトで「性行為の強要がなかったこと、その他重要な点において私の主張が受け入れられたと言えることから、訴訟の長期化による疲弊も著しいことも鑑み、和解に同意し、裁判を終了することに致しました」としたうえで、「地道に努力し、信頼回復に努める」と述べた。(米田優人)
朝日新聞社