西郷真央の予選通過率は全体トップの82.8%! 米女子ツアーを席巻した日本勢の記録を部門別に振り返った
トップ10率と予選通過率は日本が韓国や米国を抑えてトップ
2024年は米女子ツアーで日本勢が歴史的な快進撃を果たしたシーズンとなった。メジャー2勝や栄誉ある賞の獲得はもちろんだが、データを分析すると日本勢がいかに質の高いプレーをしていたかが分かる。世界の強豪国を抑えて日本がナンバー1というデータが目白押しなのだ。 【写真】古江彩佳が公開した小祝さくら&竹田麗央らJLPGAメンバーの“激レア”オフショット これが実際の投稿です まず取り上げたいのがトップ10に入った確率である。今年、日本勢はのべ282人がプレーしてトップ10入りは46回あった。昨年の35回を大幅に上回る歴代最多だが、プレー人数自体がまだそれほど多くないため、回数ならば米国の114回、韓国の68回よりも少ない。 だが、確率で比較すると日本が急浮上する。トップ10率16.3%はのべ100人以上がプレーした10カ国中1位なのだ。2位はタイの15.5%、3位が韓国で13.2%、ホームの米国は10.9%で4位だった。
日本勢で最も多くトップ10入りした選手は古江彩佳で12回。これはツアー全体でもユ・ヘラン(韓国)の13回に次ぐ数字である。古江は出場24試合だからトップ10率はちょうど50%だ。 出場試合の半数もトップ10に入るというのはものすごく高いレベルにいることの証明で、日本人選手初のベアトロフィー(規定のラウンド数をクリアした選手の中で平均ストローク1位に与えられる賞)にふさわしい内容だったということでもある。ちなみに、シーズン20試合以上プレーした日本人選手でトップ10率が50%以上だったのは過去に岡本綾子(1984、87、88年)と宮里藍(2009年)しかいなかった。 古江に続くのは日本人選手2人目のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた西郷真央の7回。畑岡奈紗が6回で続いている。 5大会が行われたメジャーに絞ると日本のトップ10率はさらに上がる。のべ72人がプレーしてトップ10入りは13回。トップ10率は18.1%になるのだ。 これはメジャーでのべ10人以上がプレーした16カ国中堂々1位の数字であり、ツアー全体で2~4位のタイ、韓国、米国はすべて数字を落とす中(タイ15.5%⇒14.9%、韓国13.2%⇒10.6%、米国10.9%⇒9.0%)で伸ばしているのだから価値がある。メジャーでは「全米女子オープン」を制した笹生優花と「エビアン選手権」で勝った古江が目立つが、ほかの選手もしっかりと上位に入って日本のレベルの高さを示していたわけだ。 次は予選通過率に移りたい。これは予選カットがある試合だけを対象にした。今年の日本勢の予選通過率は62.2%で、これまた1位(予選カットがある試合でのべ100人以上がプレーした9カ国中)なのだ。2位は韓国で60.5%、3位はスウェーデンの56.6%である。米国は47.8%に過ぎなかった。 日本勢で予選通過数(予選カットがない試合で最後までプレーしたものも含む)が最も多かったのは西郷で24回だった。これはツアー全体でも単独1位の数である。西郷は出場29試合だから予選通過率は82.8%の高率だ。 西郷に続くのは古江で23回。予選通過率は西郷を大きく上回る95.8%である。たった1回の予選落ちがダブルスの試合だったから、個人としては通過率100%だ。日本勢3位は畑岡の21回で、率ならば西郷より高い84.0%だった。 トップ10率も予選通過率も他の強豪国を抑えて1位というデータは、日本勢が全体的に質の高い、安定感のあるプレーをしていたということの証明である。2024年の躍進は単なる勢いではなく、しっかりとした実力を備えているからこそ実現できたということだ。