ほぼ本州最西端!「最果てのバス停」には一体何があるのか? 実際に行ってみた 車両は「元・都バス」
その差はほんのわずか!下関市で「最西端」を競う停留所
「本州最西端」の地があるのが、山口県下関市です。この下関を中心に山口県西部でバス路線網を展開するサンデン交通の関彦(かんげん)線は、JR下関駅から西へ直線距離で約4km離れ、海に向かって突き出した彦島西山町にある竹の子島停留所を結びます。 【画像】風情ある!? これが「ほぼ本州最西端」のバス停です Googleマップには竹の子島停留所の位置が登録されており、その西側は海を挟んで北九州市、つまり九州です。すなわちこの停留所こそ本州最西端……と判断するのは早計で、じつは真北に目を転じると、直線距離で約16km先に、サンデン交通の吉母港(よしもこう)線の終点・吉母港停留所があります。 Googleマップで停留所を右クリックして東経の度を確認し、度分秒に変換してみると 竹の子島停留所の東経 130.87772→130度52分40秒 吉母港停留所の東経 130.87609→130度52分34秒(いずれも秒未満は四捨五入) となります。若い数字のほうがより西側になるので、竹の子島停留所はわずか「6秒差」で最西端2番手になりますが、ほとんど誤差の範囲といえ、「ほぼ」本州最西端ということになります。ほぼ本州最西端の停留所には何があるのか、実際に行ってみました。 関彦線はサンデン交通のバスが次々と出入りする、下関駅東口ロータリーの7番乗り場から発車。国道9号を西進して山陽本線・山陰本線のガードをくぐって左折し、進路を南に取ります。左手にはJR西日本下関総合車両所下関支所が現れ、宇部線で走る「単行電車」123系や山陰本線で活躍するキハ47形など、電車・気動車が入りまじって休む姿が見られます。 その後バスは関彦橋を渡り、彦島へ入ります。彦島は今でこそ本州とは橋で地続きですが“離島”であり、明治時代は船で行き来していました。本州と隔離されている土地柄から、輸入される肉用種の牛の検疫所などがあったそうです。 現在では下関市郊外の住宅地といった趣の彦島。ただ、カーブのきつい道路や、離島特有のアップダウンが激しい道路を走行するため、座っていても体は常に上下に揺れます。卯月峠付近はさながら山岳路線のような乗り心地を味わえました。 関彦線の車窓には大きな工場が現れるのも特徴のひとつ。関彦橋からは三菱重工業の下関造船所江浦工場の大きなクレーンが見え、東圧正門前停留所付近では下関三井化学の赤白の大きな煙突が出現。産業の息吹を感じ取れます。