日鉄のUSスチール買収計画、バイデン米大統領が最終的に阻止へ
大きな政治的影響力を持つ全米鉄鋼労働組合(USW)も一貫して日鉄による買収計画に反対を表明してきた。
ホワイトハウスのシャーマ報道官は声明で、「USスチールが米国内で所有・運営されることが極めて重要だという大統領の立場は当初から変わりない」とし、「CFIUSのプロセスは今も継続中だ」と説明した。
この買収計画を巡り強い政治的圧力が加わる中、日鉄は支持拡大に取り組んできた。同社は10日、買収が実現した場合、USスチールの全従業員に5000ドルの賞与を支給する計画を別途発表した。
CFIUSは9月、買収計画を再申請する許可を与え、実質的に審査は延長された。審査終了期限は今月まで延期され、大統領選挙後に買収計画が前進するのではないかとの見方が浮上したが、バイデン氏は9月27日、「私は考えを変えていない」と発言した。
バイデン氏がいつ発表を行うかは不明。大統領は審査結果が伝えられてから15日以内に決定を発表しなければならない。一部関係者によると、CFIUSの審査がさらに延長され、決定が次期政権に委ねられることはない見通し。
林芳正官房長官は11日午前の記者会見で、ブルームバーグの報道について「個別企業の経営に関する事案であり、コメントは差し控えたい」と語った。
原題:US Steel Drops as Biden Plans to Block Sale to Nippon Steel (2)(抜粋)
--取材協力:青木勝.
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Josh Wingrove, Joe Deaux