【箱根駅伝】"山の妖精"の後継は?「適任は斎藤将也だが、2区も頭に入れつつ考えています」 城西大学は4位以上をめざす
平林樹「往路でチームに貢献を」
主将の平林は、櫛部監督いわく「言葉ではなく、姿勢で見せるタイプ」。今年は5月の関東インカレ1部10000mで、チームメートのキムタイに先行して28分03秒13の自己ベストをマークし2位となった。櫛部監督は「本人も自信になっただろうし、チームとしても盛り上がった象徴的なシーン」と表現。キャプテンとして牽引(けんいん)する役割を果たしてくれていると信頼を寄せている。 平林は最後の箱根駅伝に臨む意気込みとして「今シーズンは(前回)箱根駅伝で3位に入ってかなり注目される中での駅伝になりました。駅伝シーズンは目標に今ひとつ届いていないですが、チーム全体としての力、厚さは出ている感触はあります。昨年とは違い、『全員で戦う』ことを意識して4位以上を目指していきたいです」と口にした。 平林は、個人個人が自分の目標に向かって最大限努力していくチームにしていきたいと考えた。「『これをやって』と言い続けるのではなく、各自で考えてやってほしいと思いました。上に立って自分が言っていくというよりは、目標を明確にして取り組んでもらうように動いてきました」 主将として苦労したことを聞かれると「特にないです」という。「みんな自分でいろいろやってくれたりしているので。主将として苦労したことはないけど、夏合宿で足を痛めて走れない期間があったり、出雲駅伝、全日本大学駅伝では主将としてあまり誇れる走りができませんでした。少し不甲斐(ふがい)ないと感じました」と競技面での反省点を語った。 2年時、3年時と連続して9区を走っている平林だが、今年は往路を任されるつもりで1年間準備してきた。「1区、3区、4区なら自分の力を出せると思います。どこの区間を走っても、しっかり先頭が見える位置で進めないと4位は見えてきません。区間3位以上を目指して、常に上位で争っていけるような走りをしていきたいと思います」
久保出雄太「監督に恩返しの走りをして、区間賞を」
櫛部監督にも主軸の1人として指名された久保出は、「まだ区間は言われていませんが、自分の中で予想した上で、今考えている区間は1区か9区だと思っています」とまずは予想を口にした。「1区であれば集団についていってラストでの勝負、9区であれば10区の前に試合の結果を決めるような走りができればと思います」と具体的にイメージを語った。 高校時代に実績のなかった久保出は、入学当初は陸上同好会からのスタート。入部に必要なタイムをクリアし、2年の春から陸上部に入ったタイミングが最大のターニングポイントだったと語る。「こんなに素晴らしい監督に教えてもらうことがなかったので。基礎練習や走り込みだけでは手に入らないものというのがあって、タイム的にも一番成長できたなと感じています」 他の部員よりも遅いスタートだったが、2年生の時から「箱根駅伝を走るんだ」という気持ちを持っていた。「4年生で走れればいいや、と思っていたら走れないと思いました」と強い思いを持ち続け、前回の6区で箱根駅伝デビュー。今年は関東インカレ1部ハーフマラソンで7位入賞と結果を出し、出雲駅伝6区、全日本大学駅伝7区といずれも長い区間を任せられている。 箱根駅伝への思いを問われると「監督への恩返しという思いが一番強いです」といい、「笑顔でしっかり襷(たすき)リレーをして、区間賞で終わりたいです」と意気込んだ。