<速報>広島2年連続8度目V。「うちの選手はあきらめない」と緒方監督が涙
広島が18日、甲子園球場で行われた阪神戦に3-2で勝利して2年連続8度目のリーグ優勝を決めた。7回に2-2の同点に追いつかれたが、8回にバティスタのタイムリーで勝ち越すと、その1点のリードを守りきった。広島らしい粘りの野球でマジック「1」で迎えた2位・阪神との直接対決を制して136試合目にトップでセ・リーグのゴールテープを切った。甲子園での優勝決定は2002年9月24日の巨人以来となる。 台風一過。晴天の甲子園の半分が真っ赤に染まった。マジック「1」で迎えた地元での優勝はならなかったが、カープファンは敵地にかけつけて歓喜の瞬間を待った。 阪神の先発は、日ハムからウェーバーで途中移籍のメンドーサ。広島が昨年の日本シリーズで押さえ込まれた投手である。しかし、その立ち上がりに先制点を奪う。二死三塁から、この日が32歳の誕生日である4番の松山がインサイドのストレートにつまりながらもセンター前へ運んだ。 「なんとか先制点をという気持ちでいきました。インサイドの球を大振りせずに、うまくさばくことができました」 広島は4回、安部が死球で出塁、一死から會澤がライト前ヒットでつなぎ、一死一、三塁から投手の福井がスクイズを決めた。初球にバスターを仕掛け、カウント1-1からの見事な作戦だった。二回にも、同じ一、三塁の状況で福井は送りバントを決めていたが、変幻自在な戦術に阪神バッテリーはしてやられた。 一方、今季9勝5敗の広島先発の野村は3回まで走者を背負いながらも粘り強いピッチング。4回一死から中谷にセンターバックスクリーンに飛び込む20号ソロを許すが、6回まで、この1失点に踏ん張って、7回から一岡にバトンタッチ。しかし、その一岡が、代わり鼻の8回、代打・陽川にカーブを捉えられ、バックスクリーンの左へ同点1号アーチを浴びた。 目の前の胴上げを阻止するために意地を見せる阪神に対して、広島は8回、3番手の岩崎から菊池、丸が連続四球を選び、無死一、二塁の勝ち越し機を作った。松山はレフトフライに倒れたが、代わった桑原の初球を狙ったバティスタが三遊間を破るタイムリー。3-2とリードを奪うと、その裏はジャクソン。先頭の上本にヒットを打たれたが、牽制球で一塁で刺すファインプレー。9回は、中崎という必勝リレーで逃げ切り、緒方監督が甲子園の宙に舞うことになった。 投打がバランスよく噛み合っでの連覇だった。 この日は逆転ではなかったが、逆転勝利は84勝中、41試合。“逆転の広島”の代名詞は今季も健在だった。試合前の時点でのチーム打率・275、本塁打147本、得点703、盗塁108は、いずれもリーグトップで、4番の鈴木誠也が、8月下旬に故障リタイヤしても、松山や新井らがカバーしてチームの勢いをとめなかった。 バッターは常にボールを転がすことを徹底。そこに打線につながりや粘りが生まれた。そして、それ以上に注目すべきは、救援防御率の2.68も、リーグトップである点だ。ストッパーの中崎が腰を痛め開幕の1か月に不在だったが、ベンチがうまくやりくりしたブルペン陣の踏ん張りが逆転につなぐ下地を作った。 次なる目標は、昨年日ハムに敗れて果たせなかった日本一。クライマックスシリーズのファイナルステージは、10月18日から本拠地マツダスタジアムでスタートすることになる。