頭痛や吐き気がでたら、試してほしい…じつは、登山者でも多くの人が知らない「意識呼吸」2つの方法
意識呼吸を取り入れた2つの呼吸法
代表的な呼吸法として、深呼吸と腹式呼吸があります。 深呼吸は誰にでもできて効果も大きいのですが、何分も続けていると体内の二酸化炭素が過剰に失われて、過換気症候群に陥ることがあります。そこで、2~3分くらい深呼吸をしたら、5~10分はふつうの呼吸に戻すという、インターバル式の呼吸を心がけるとよいでしょう。 腹式呼吸にはそのような短所がないので、ずっと続けていられますが、人によっては習得するまでに多少の練習が必要です。 意識呼吸は、頭痛があるときや、気分がよくないときには努めて行います。意識呼 吸をすればこれらの不快感が消え、やめればまた不快感が現れてくる、といった経験をすることもあります。また特別な不快感がないときでも、予防の意味でときどき行うとよいでしょう。 歩行時にも意識呼吸を行うと効果的です。たとえば1歩ごとに「吐く」「吸う」「吐く」「吸う」というように、歩調に合わせて深く大きな呼吸を繰り返します。歩調と合わせて深く大きな呼吸をするという条件を満たせば、このやり方にこだわらなくてもよく、自分に合ったパターンを工夫して見つけていくとよいでしょう。 また、別の呼吸法法の例を、『登山と身体の科学』で詳しく説明していますが、以前の記事*でも紹介したので、それも参考にしてください。 *以前の記事:「こんなに、ラクだったとは…」山登りの概念が覆る「驚愕の方法」…キッツイ上りでも「バテない歩き方と呼吸の仕方」を公開する 登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術 安全に楽しく登山をするために、運動生理学の見地から、疲れにくい歩き方、栄養補給の方法、日常でのトレーニング方法、デジタル機器やIT機器の効果的な使い方などをわかりやすく解説。豊富なコラムで、楽しみながら知識が身につけられます!
山本 正嘉(鹿屋体育大学名誉教授)