箱根駅伝の長い歴史の中でもわずか…「4年連続区間賞」を記録した“伝説のランナー”たち
年明けの1月2、3日の2日間にわたって開催される第101回箱根駅伝。1年生から4年連続で箱根を走ることだけでもすごいことだが、過去には4年連続区間賞を獲得した“伝説のランナー”も存在する。この中から、日本テレビの生中継が始まった1987年以降に歴史に名を残したレジェンド3人を紹介する。 【写真】“普通のOL”から日本を代表するランナーへ 異色の経歴で人気博したのはこの人 まず順天堂大・中島修三以来、11年ぶり6人目の4年連続区間賞を達成したのが、早稲田大・武井隆次だ。 第67回大会(1991年)、1年生で1区に起用された武井は、最初の5キロで14分21秒というハイペースのなか、先頭集団をキープ。六郷橋でスパートをかけると、一気に後続を引き離し、1時間3分26秒の区間新記録で華々しく箱根デビューを飾った。 翌92年も1区を走った武井は、後半にペースを上げ、15キロ過ぎで先頭に立つと、そのまま独走し、前年の自らの記録を更新する1時間3分22秒で2年連続区間新を達成した。 93年は復路の7区で出場。トップ・山梨学院大に9秒差の2位でタスキを受けた武井は、すぐに追いつき、差を広げていく。“早大三羽烏”と並び称された同期の櫛部静二(現城西大監督)が1区、花田勝彦(現早大監督)が4区で揃って区間新を達成したとあって、「自分も、と必死でした」と気合を入れ、1時間2分53秒の区間新で、山学大に3分10秒差の首位に。この貯金がモノを言って、早大は8年ぶり12度目の総合優勝を達成した。 そして、最上級生になった94年、武井は準エース区間の4区を任されたが、故障上がりで最初は慎重に入ったため、トップ・山学大との1分差がなかなか縮まらない。だが、小田原の中心街に入ってから本領を発揮し、最終的に22秒差でタスキリレー。区間新は記録できなかったものの、1時間3分28秒で4年連続区間賞に輝いた。 武井から3年後に史上7人目の快挙を達成したのが、中央大・榎木和貴(現創価大監督)だ。 第70回大会(1994年)、1年生では2区・松田和宏とともにメンバー入りし、8区を走った榎木。4位でタスキを受けると、「区間賞は狙っていた」と1分6秒35を設定タイムに、3位・順大と4分30秒差、5位・東海大と6分8秒差という“一人旅”を黙々とマイペースで好走。区間記録に11秒差の1分6秒31をマークし、“伝説”の第一歩を踏み出す。