【独白】梅宮アンナ「手術室では何度も泣いてしまいました」とりわけ涙があふれた「意外なひとこと」とは?
こんにちは、梅宮アンナです。私は現在、ステージⅢAの「浸潤性小葉がん」を治療中です。すでに報道されている通り、無事11月7日に乳がんの手術が終わりました。この記事は11月8日にまとめています。インスタでもご報告した内容を詳しくお話しますね。 【画像】素顔の梅宮アンナさん 【独占連載「アンナの日々」#5】前編
手術では感動して何度も泣いてしまいました。いま絶好調で回復中です
無事に手術が終わりました。3時間19分、普通このくらいの時間なのかな。当日はわからなかったのですが、翌日にキングオブキング名医な執刀医から家族へ手術説明があり、「ちゃんとできました」と言ってもらえたみたい。さきほど回診の薬剤師さんにも「手術後こんな元気な感じならすぐ退院できそうですね。乳がんの方はあっという間に退院して行っちゃう」と言われました。手術翌日におしっこの管を取りますねって言われて、「えっ、もう? トイレ行かなくていいからラクだったのに?」ってつい言っちゃった。でも、管がついてると起き上がらないからね、サボっちゃだめなんですって、自分で動かないと。 私も長い芸能歴の間にいろいろ特別な場所を経験してきたつもりですが、でも私には手術室、オペ室が世界でいちばんの楽園なのね。オペ室に入ると嬉しくて泣いちゃうんです。今回は乳がんを切除してもらえる喜びでした。 CVポート手術のときもだったけど、私オタクだから感動して涙を流しながら、あの空間をいちいち細部まで見つめちゃうの。ライトが16個くらい入ってるなとか。今回はベッドが暖かくてびっくりしました。体温を維持する目的なのか、それとも患者の気持ちを和らげるためかわからないけれど、冷たいところに眠らせないんですね。本当にびっくり。 オペ室まで歩いて行くのですが、最初に「こんなに部屋がいっぱいあるの」って驚いて。すごい、いっぱいって、それが衝撃で。そして、みんながとにかく優しい。でも、手術室に入って、今回執刀に立ち立ってくださるチームの皆さんの顔を見た瞬間、今日のオペ中に前歯を守るため作ったマウスピースを部屋に忘れたのを思い出して。大変!と、部屋まで取りに行ってもらいました。マウスピースを待つ間、刻々と準備が始まって、ここに寝てくださいねーって言われて寝て、心電図のコードなのかな、いろいろつけていただきました。それから少しマウスピースを待つ時間があったんです。 そのとき、そばにいた看護師さんにごく小さな声でそっとこう言われたの。「アンナさん、いつも記事読んでます。私たちも勇気づけられるんです」って。もうね、ずるい、こんな瞬間にそんな言葉をくれるだなんて。看護師さんに言われたのも初めてで私、感動してまた泣いちゃって。 医療に携わる、志を持った皆さまにも、私の挑戦を読んでもらいたいという気持ちはありました。でも、勇気づけるとまでは考えていなかったので、せっかくマウスピースで慌てて涙が止まってたのに、嬉しい涙でした。 まだ時間があったので、泣きながらも執刀医の先生に「すいません、私から切り取ったそのものを見ることはできるんですか?」と聞きました。すると「いまはちょっと見せないですね、画像はお見せできます」。エー、記念にほしかったのになぁ、私オタクだから……。 次は麻酔科の先生です。こちらもキングオブキング名医の先生で、ぱっと見は少し怖い感じがしたのですが、口を開いたらなんとワンちゃんに話しかけるみたいなソフトな口調。「いまからねー、ちょっとねー、針痛いよー」……その直後針が刺さったら本当に痛くて、つい「イテっ」と声を出してしまいました。すると「麻酔が入ってきたらもっと痛いよー」って言いながら、先生が腕をポンポンとやさしく叩いてくれて。このポンポンがもう、信じられないくらいに私を癒しちゃって。 いまこのオペ室にいる皆さんって、この世で一番必要な仕事、命を助ける仕事に人生をかけて奉仕している人たちですよね。だから憧れちゃう。私はとにかく尊敬と愛しか感じなくて、今回自分がここにたどり着けたありがたさ、すごさに感謝するしかなくて。 病気を公表してから、会う人ごとに「大丈夫ですか」と聞いていただくのですが、最初から全然不安はなかったんです。むしろ私、いつ不安って言っただろうかと戸惑うくらいに。なぜなら、最初から出会う医師たち、スタッフの皆さんたちのことを大好きになって、この人たちに助けてもらえるんだからと心から安心できたから。名医っていわゆる「お墨付きの名医」のことではなくて、自分がこんなふうに大好きになれるその先生が名医なのだと思います。あの、麻酔のポンポンは私はきっと生涯忘れません。これが私の手術前の最後の記憶、「痛いからねー」、ポンポンポン、「痛いよー」。