引っ越しに養子縁組、改名、整形手術…20代女性が明かす、リベンジポルノ被害の「深刻すぎる現実」
別の人間になるために…
伊都子さんは娘さんの言う通りに即座に行動に移した。 「まず引っ越しをしました。自宅を売却することも考えましたが、ご近所にあれこれ詮索されそうなのであえてそのままにしてあります」 転居先には縁もゆかりもない場所を選んだ。 「都会でもなく、田舎でもない。ほどほどの地域」だという。 家族構成などについてはここでは触れないが、伊都子さん一家はどこにでもいそうな平凡な家庭のため、転居先で怪しまれるようなこともなく、地域に自然に溶けこんで暮らすことができたという。 一家そろって生活しているものの、転居と同時に娘さんは伊都子さんの親戚と養子縁組をしている。 「これでまず苗字が変わりました。その後家庭裁判所に申し立てをして名前も変えています。ポルノ画像が拡散された娘の氏名は世の中から消滅することになったのです」
整形手術と減量
戸籍上の名前を変えた娘さんは次に容姿を変えはじめた。 「娘はダイエットをしようと考えて、絶食に近いようなこともやっていたのですが、やはり健康上の問題もありますし、素人考えで安易に痩せてもリバウンドしては元も子もありません。それで私もアドバイスをして、専門のトレーナーに指導して貰い、同時に栄養士さんの指導を受けたうえで食事療法もしました。結果、娘は10キロ以上のダイエットに成功し、すっかり体型が変わりました」 身体つきだけでも別人のようになった娘さんだが、さらに美容整形手術も受けたという。 「どこをどう直したなど、具体的なことはお話できませんが、多額の費用と時間をかけて施術を受けました。痛みに耐え、面倒なアフターケアにも真剣に向き合った娘の姿には『生まれ変わるんだ』という執念のようなものも感じました。そのかいあって、原型をとどめていないと言っても良いかも知れない“仕上がり”になっています」 筆者は同じ子を持つ親として、心が締め付けられた。思わず「自分の産んだ子どもがまったく別の顏になってしまったことに抵抗を感じなかったのか」と聞いたが、伊都子さんは「寂しさを感じなかったと言えばウソになります」と目を伏せて、 「ですが…、私は娘の人生を尊重したかったのです。見た目がどのようになろうと、私が産んだ大事な娘であることに変わりはありませんし、娘は親子の証とも言える、ある部分だけは手をつけずに残してくれています」 この「ある部分」を伊都子さんと娘さんは筆者に見せてくれたが、その時のふたりの誇らしげな顏が忘れられない。
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