「W杯に出られなかった経験を…」“日本代表から消えたFW”がドイツで5ゴール、町野修斗が語る“企業秘密”の強み「日本のために蹴れるなら」
教わったPKのコツ…“企業秘密”
では、プロに入ってからPKを失敗したことがないのは何故なのか。 「高校の監督からPKの決め方みたいなものを教わっていて。それを実行しているんです」 一般的には、高校のサッカー部出身の選手のほうが、Jクラブユース出身者よりもPKが上手だと言われている。実際、カタールW杯クロアチア戦でもユース出身者が外したのに対して、浅野拓磨(四中工出身)が成功していた。彼は、今年5月のブンデスリーガ1部と2部の入れ替え戦という、極度のプレッシャーがかかる舞台でもPKを決めている。 差がつく理由はシンプルで、高校サッカー出身の選手は、PKの練習をする機会も、緊張感のあるなかで蹴る機会も多いからだ。 高校サッカー界の華・冬の「選手権」は、同点のままで前後半を終えると、すぐにPK戦に突入する。だから、高校サッカーの世界ではPK練習の優先順位が高くなる。そうしたシステムが、成功率の差にも影響しているのだろう。 では、町野が教わったPKのコツとは何か。 「決め方はありますけど、それがどういうものなのかを言ってしまうのは……“あまり良くない”かもしれないですね」 町野は微笑みながら、そう話す。履正社高校時代に習ったコツが、“企業秘密”として存在している。そして、それもストライカー町野の一つの強みとなっている。
日本のために蹴れるなら…
その企業秘密は明かしてもらえなくとも――聞かずにはいられないことがあった。 カタールW杯、クロアチアとのPK戦では自主的にキッカーを名乗り出る「立候補制」が採用された。 町野は自分に信頼されるだけの力があれば試合に出られたと考えており、監督の起用法に不満は一切ない。それを確認したうえで、こう聞かずにはいられなかった。 「あくまで仮定の話ですが、もしあの試合に交代出場していたらキッカーに名乗り出ていましたか?」 町野は即答した。 「はい、蹴りたかったです」 では、それは何故か。ストライカーとしてのエゴではなく、強い想いがあったからだ。 「日本のために蹴れるなら……蹴りたかったです」
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