メッシ、クリロナを生んだ、2025年は「サッカー革命」100周年(2)否決され続けた「2人制」、アーセナル本拠地で行われた2つの「試合」と革命後の得点数
サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は「3人と2人じゃ大違い」。あるルールの変更で、サッカーが世界中で愛されるスポーツになったという。もしかしたら、ペレも、マラドーナも、メッシも、クリロナも、そしてエムバぺも、ヤマルもサッカーをやっていなかった可能性すらある、意外と知らない「サッカーの大革命」にスポットを当てる! ■【画像】「美が溢れてる」日本代表・堂安律の美人妻、1泊8万円超パリ高級ホテル滞在ショット公開「ぐぅなホテルやった」スラリ美脚の超セレブ近影に「見惚れてます」の声
■なぜ、これほど「長命」だったのか
なぜ「ピラミッド・システム」はこれほど長命だったのか。それは攻守のバランスが非常によく取れていたからだ。3人の「ハーフバック」のうち、中央の選手(センターハーフ)は中盤を幅広く動き、5人のフォワードのサポートをするとともに、守備に回ったときにはセンターフォワードをマークするという役割をも担った。「センターハーフにサポートされた5人の攻撃」対「センターハーフが衝立のようになる5人の守備」―。「ピラミッド・システム」は、改善すべきところのない、「完璧なシステム」だったのだ。 さらに言えば、仮に「センターハーフ」の守備が間に合わない場合にも、「3人オフサイド制」により、2人の「フルバック」の巧みなポジショニングで、そう大きなリスクをかけないでも相手の攻撃を無効化することができたことも、このシステムが長生きした要因だった。 たとえば相手が「センターフォワード」にパスを出す直前に、2人の「フルバック」のうち1人が前進する。「オフサイドトラップ」である。それによって、最後のフルバックが目の前にいる状況でも、センターフォワードはオフサイドになってしまう。実際、このシステム下の試合では、オフサイドトラップが多用され、やすやすと守れてしまっていた。
■30万人が押しかけた「伝説の試合」
オフサイドを「2人制」にすべきという議論は、ずいぶん早い時期からなされてきた。サッカーのルール改正は当初「ご本家」のFA(イングランド・サッカー協会)の独占物だったが、1886年にスコットランド、ウェールズ、アイルランドの3協会が加わる形で国際サッカー評議会(IFAB)が結成され、ルール改正はすべてここで扱うことになった。 スコットランド・サッカー協会(SFA)が「2人制オフサイド」の提案をしたのは、そのわずか8年後、1894年のことだった。だがイングランド北西部、湖水地方の風光明媚なウインダミア湖を望む「フェリー・ホテル」でのIFAB年次総会で、この案はあっさりと否決された。 あきらめきれないSFAは、1902年、1913年、1914年と提案を繰り返したが、そのたびに否決された。一貫して反対したのは、FA(イングランド・サッカー協会)だった。第一次大戦終了後も、SFAは1922年、1923年、1924年と執拗に「2人制オフサイド」を提案したが、ここでもFAの反対でつぶされた。 このころ、イングランドのプロサッカーはひとつの隆盛期を迎えていた。第一次世界大戦前には、「フットボールリーグ」は1部20クラブ、2部20クラブの計40クラブで開催されていたが、戦後のサッカー熱のなかでの再開1シーズン目の1919/20シーズンには1、2部とも22クラブとなり、翌1920/21シーズンには3部22クラブが加わった。さらに次の1921/22シーズンには3部が「南北」に別れて計42クラブになり、総計すると86クラブと、急速に発展したのである。 さらに、1923年にはロンドンにウェンブリー・スタジアムが完成。FAカップ決勝やイングランド代表の「ホーム」となった。その最初の試合、1923年FAカップ決勝では、このスタジアムをひと目見ようと30万人もの観衆が押しかけ、ピッチのすぐ外にまで観客を入れて開催するという伝説の試合(ホワイトホース・ファイナル)も生まれて、サッカーは完全に英国最大の娯楽となっていた。
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