メッシ、クリロナを生んだ、2025年は「サッカー革命」100周年(2)否決され続けた「2人制」、アーセナル本拠地で行われた2つの「試合」と革命後の得点数
■行われた「2つの改正案」の試験試合
しかし、その一方で、勝負が厳しくなる余り守備的になって得点数が減り、人気の先行きを懸念する声も高くなっていた。「保守的」なことで知られたFAも安閑としているわけにはいかなかった。そこで1925年3月30日月曜日の午後、アーセナルが所有するロンドンのハイベリー・スタジアムを使い、FAはひとつの「試験試合」を行った。この年のIFAB総会に向けてSFAが提案していた2つの「オフサイド改正案」のテストだった。 前半45分間は、両ゴールラインから40ヤード(約36.6メートル)のところ、すなわちセンターサークルの端から7メートルほどゴール寄りのところにタッチラインからタッチラインまで線を引き、そこまではオフサイドはないというルールでのプレー。そして後半45分間は、もうひとつの案、「2人制オフサイド」でプレーさせたのである。 FAはこのテスト結果を詳細に分析し、6月初旬の総会で討議した。オフサイドルールの改正を支持する理事たちは、ゲームの中断が減り、審判のミスが避けられ、見ていて面白いものになると主張した。一方で、攻撃側にあまりに有利になると反対する理事も少なくなかった。さらにレフェリーを代表する理事たちは、改正に強く反対した。それでも、最終的に、FAは「2人制オフサイド」を支持することを決めた。
■革命後、ゴールが「43.9%」増加
この年のIFAB年次総会は、その直後、6月13日土曜日にパリで開催された。サンラザール駅に近い「ロンドル通り22番地」。このときにはすでに国際サッカー連盟(FIFA)もIFABのメンバーとなっており、そのお膝元のパリで年次総会が開催されたのだ。ただ、通り名の「ロンドル」は、もちろんフランス語で「ロンドン」の意味で、サッカーのルールを話し合うにふさわしい場所だった。 会議が始まると、SFAはまず「40ヤード案」を引っ込め、続いて「2人制案」を説明した。そしてFAの後押しもあって、ルールの1語を「3」から「2」に変える改正案は可決されたのである。「革命」の瞬間だった。 効果はてきめんだった。「革命前」の1924/25シーズンのイングランド・リーグ1部では、総試合462試合で生まれたゴール数は1192だった。1試合平均にすると2.58ゴールである。それが「革命後」の1925/26シーズンでは、同じ試合数で1703ゴール(平均3.69)へと跳ね上がったのだ。実に43.9%の増加である。
大住良之
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