【高校サッカー】青森山田支える〝最強メンタル〟 批判に「また言ってる」「黙っとけみたいな」
【取材の裏側 現場ノート】第103回全国高校サッカー選手権が佳境を迎えている。昨年度覇者の青森山田は今年も大きな注目を集めたが、昨年12月31日の2回戦で高川学園(山口)に1―2と敗れて早々に連覇がついえてしまった。 【写真】選手権で優勝した昨年の青森山田 近年の青森山田は選手権の大舞台で毎年のように優勝争いを繰り広げる一方で、強さに対する注目度の高さゆえか批判も浴びせられてきた。特に昨年度の大会では、直前に行われたU―18プレミアリーグ決勝の広島ユース戦で起きた判定をめぐる問題やロングスロー論争などが過熱。イレブンもSNSや周囲から批判を見聞きしていた。 並のチームならばストレスや重圧で試合どころではないはずだが、そうした状況下で青森山田はいずれの試合でも圧倒的な強さを見せて見事に選手権制覇を果たした。 優勝後、青森山田イレブンに過剰な批判に対する本音を聞くと、こう答えていた。10番を背負ったMF芝田玲(現明大)は「批判されるのは、山田としては慣れたこと。(勝負の)際のところを勝ってきているので、そこは素直に強さを認めてほしい」と動揺はなく批判に対して堂々と向き合っていた。 また、当時2年生ながらロングスローを担当して今季は主将を務めたDF小沼蒼珠はこう語っていた。「『また言ってるよ』みたいな。全然気にしていない」と批判もどこ吹く風。そして「叩いてくる人はいるけど、全然自分は気にしていない。死ぬ気で努力してきたからこそ、ここにいると自負している。注目されると、叩かれるのは付き物だと思っているので。まあ、叩いているやつらは黙っとけみたいな感じですね」とこちらも全く動じることなく胸を張っていた。 青森山田に受け継がれるこの〝最強メンタル〟こそが、常勝軍団たるゆえんなのかもしれない。(サッカー担当・渡辺卓幸)
渡辺卓幸