AI謎解きゲームが山形県西川町を活性化、1億7000万円以上の経済効果 日本には「地域DXプロデューサー」が必要だ
地域のデジタル変革を推進しているDXプレイヤーを表彰する「JAPAN DX Player AWARD 2024」。47都道府県の中から選出されたプロジェクトは、最終的に21本に絞られました。 産業、学校、官公庁、民間、サステナブル、スポーツの6部門で各1位に輝いたプロジェクトのピッチを紹介します。
産業部門
「地域の課題は宝だ。AIなどの最先端技術を使った地域活性化事例」 窪田望さん(株式会社Creator’s NEXT) 産業部門で1位に輝いたのは、AIを活用した謎解きゲームで地域活性化に成功した、窪田さんの取り組みです。 売り上げの激減に悩む東京・巣鴨の商店街のリブランディングのため、謎解きシートと謎解きアプリを開発したという窪田さん。
その一つ、謎解きゲームをしながら町を周遊するアプリ「スガモ消滅2026」はメディア効果もあり、経済効果は1カ月で6300万円を達成。この取り組みは、内閣総理大臣賞を受賞しました。 窪田さんはほかにも、山形県西川町と包括連携協定を結び、AI謎解きによる地域活性化プロジェクトを発足。
西川町の町民50人に参加してもらい、オリジナルのドラマを作りながら謎解きをしていくゲームを制作しました。結果、西川町でも1億7000万円以上の経済効果に。 「よくある地域活性化の事例では、最初においしいものを食べたり、きれいな景色を見たりと、ハードルの高い状態で観光消費をすることが通例となっています。一方で、謎解き型の“恩返し消費”の場合は、最初にゲームを体験していただいて、そのあとで恩返しとして消費する流れになっていることが特徴です」と、窪田さんは話します。 また、窪田さんは西川町の方言を学習させる対話型のAIを開発し、ⅭhatGPTより1.6倍精度が高い方言理解モデルを作るなど、地域に貢献。
「最先端技術の中心にはいつも“人”がいます。AIは教師データがないと動きませんからね。泥臭く一人一人が一生懸命地域のためを考えて、一つ一つデータを集めるといった活動が不可欠なんです」(窪田さん) 西川町の住民が協力してくれたことに深く感謝し、ピッチを締めくくりました。