AI謎解きゲームが山形県西川町を活性化、1億7000万円以上の経済効果 日本には「地域DXプロデューサー」が必要だ
「人口減少を食い止めるカギは、寛容性です。寛容性とは、地域を温かくする、迎え入れる準備をするということ。 山形県は、女性の生き方への理解や若者への信頼などがまだまだ足りない地域です。地域への希望が少ないというデータもあり、まちの動きを活発にすることが求められています」(菅野さん) そこで西川町は、全世帯にタブレットを配布。タブレットには、電子クーポン券やデジタル商品券を入れるほか、一番見られているクマの出没情報を始め1日5件ほど情報を流しています。 目下、生活する上でタブレットをどう使っているかデータを集めつつ、タブレットの使い方も教えていると話します。 他のDX事例としては、LINEのオープンチャットを展開。「ニーズベースの政策を打つには、人数を集めて対話会を開く必要がある。そこでチャットで呼びかけたら、すぐに20人ぐらいの参加者が集まりました」(菅野さん)
こうした努力が功を奏し、西川町の人口減は奇跡的にストップ。菅野さんは、「これから、DXを通じて温かい地域を作りたい。DXと泥臭い作業で人をつないでいきたい」と語り、ピッチを終えました。
【民間部門】
「Region Link」 上田敏孝さん(一般社団法人地方WEB3連携協会 RX-DAO) 「Region Link」を直訳すると「地域のつながり」。その名の通り、この取り組みは、全国の自治体、企業、教育団体、学生、社会人、あらゆる人々が融合して、すべての地域の課題を皆で考え、アイデアを作っていこうという融合型のプロジェクトです。 Expoには全国各地から人々が集まり、自分たちの地域の課題を発表。それに対して興味・関心を持った人々がフィールドワークを行います。
実際に現地に行って、現地の人たちとの交流を経て、参加者は、解決策となるビジネスアイデアを発表していきます。同団体は、そのフィールドワークの支援をします。 成果は大きく、2024年2月に1回目のExpoが開催された際、学生を中心に200人、岩手から熊本まで6自治体が参加しました。そして今年12月に開催される2回目のExpoは、参加者、自治体ともに1回目の数倍にあたる参加が見込まれています。 「我々は出会いや関係人口創出(※)をメインとしています。そこから事業を立ち上げ、地域課題を解決したい。 今回皆さんが発表されているプロジェクトは、何かしら入り口となる出会いがあり、奇跡が偶発的に重なってできたものではないでしょうか。Region Linkは、その入り口。ぜひ今後とも応援していただけたらうれしいです」(上田さん) ※関係人口創出…地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」を増やす取り組みのこと。