動くパビリオン、水素燃料電池船「まほろば」完成 CO2排出なし、万博で運航 岩谷産業
岩谷産業は24日、来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博で、「動く海上のパビリオン」として運航が計画される水素燃料電池船「まほろば」が完成し、大阪に到着したと発表した。走行時に二酸化炭素(CO2)などを排出しないことが特徴で、今後実証運航を経て万博に臨む。 【イラストで解説】水素燃料電池船「まほろば」の構造 まほろばは国内初の水素燃料電池による旅客船で、全長30メートル、幅8メートル、2階建てで定員は最大150人。昨年6月に建造を開始し、今年5月に進水式を実施。内装工事などを経て今月18日に大阪に到着した。 水素と酸素の化学反応によって電力を発生させるため、CO2などを排出せず、通常の船と比べて環境負荷が少ない特徴を持つ。万博を通じて、技術力の高さや水素の可能性について体感してもらう狙いがある。 万博では大阪市福島区の中之島ゲートからユニバーサルシティポートを経由して、会場のある大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)まで約40分で結ぶ。 同社は「運航まで半年に迫っているが、万博において安全に運航ができるように取り組んでいく」としている。(桑島浩任)