マネックス傘下に加わった暗号資産ETFのパイオニア「3iQ」、その意図や日本市場での今後の展開は【CEO、CFOインタビュー】
暗号資産ベンチャーへの投資を選んだ機関投資家
──機関投資家は今、暗号資産に対してどのような考え方を持っているのか。 サン=ジャン氏:機関投資家からは、暗号資産についての教育の需要が高まっている。機関投資家は暗号資産を保有する方向にシフトしており、我々は機関投資家、個人投資家を問わず、彼らが暗号資産をより良く理解できるような環境を作り出すことに取り組んでいる。 2021年当時のカナダでは、すでに多くの機関投資家がこの分野に投資したがっていた。我々は、機関投資家に積極的に情報を提供した。だが、彼らは最終的にFTXやセルシウスなどの暗号資産ベンチャーに投資することを選択した。暗号資産はまだ理解できていなかったが、ベンチャー投資は理解していたからだ。だが残念ながら、間違ったベンチャー企業を選び、デューデリジェンスを怠った。結果はご存知のとおりだ。 我々は、多くの機関投資家と仕事をしてきて、彼らが教育を望んでいることを理解した。そして、自分たちが理解できるプロダクトへのアクセスを望んでいることを理解した。 我々が提供するETF、資産管理プラットフォームなどはすべて、機関投資家の需要に応えるよう設計されている。彼らが資産アロケーションにおいて慣れ親しんできた方法を踏襲している。機関投資家が安心して投資できる仕組みを作り、投資方法を理解してもらえば、機関投資家の需要は拡大すると考えている。 ──米国でのビットコインETFスタートは、大きな出来事だったのか。 サン=ジャン氏:史上最も早く、最も大きく成長したETFの登場となった。データを見ると、今年、フィデリティの運用資産残高の成長の56%を占めている。 ロープリッチ氏:この分野に信頼性をもたらしている。私はフィデリティで働いていたが、ブラックロックやフィデリティのような企業は、何年も前からリサーチを行い、この先も残っていくものだと判断したものにしか投資しない。 ──イーサリアムETFは米国では勢いがないが。 サン=ジャン氏:ブラックロックやフィデリティは、レピュテーション(評判)がこの分野の最大のリスクであることを理解している。つまり、レピュテーション・リスクのあるものを扱うことはしない。社内で非常に多くの検討と意思決定を必要としたはずだ。つまり、彼らは、レピュテーション・リスクは小さいと考え、大きな利益と可能性をそこに見ているはずだ。 我々はすでに次のステップに向けて取り組んでおり、カナダのイーサリアムETFではステーキングが許可されている。これは世界初のことで、米国では認められていない。 ステーキングは多くのチャンスを生み出している。米国ではイーサリアムETFは資金流出が発生しているが、今年、我々は世界で唯一、イーサリアムETFへの純流入を記録している。我々のイーサリアムETFは、ポジティブな成長を遂げている。