お酢の酸味が疲れた体に染み渡る~!漬けて煮るだけの簡単作り置き「手羽元の無水甘酢煮」
テレビや雑誌を中心に活躍する料理家のきじまりゅうたさんが、料理の基礎やコツをご紹介! 調理がラクになるちょっとしたコツや、料理が飛躍的に上手くなるノウハウ、誰も教えてくれないマル秘テク、目からウロコの簡単レシピなど「料理はおもしろい」ことを伝えたいと語るきじまさんのyoutubeチャンネル「きじまごはん」から、編集部厳選の記事をお届けします。 【画像で確認】味しみ&肉が柔らかくなるコツ!玉ねぎとお酢のパワーを大活用 今回は「手羽元の無水甘酢煮」の作り方をお伝えします。 お酢には食欲増進や疲労回復の効果が期待できるので、夏の暑さでへとへとになった方にぜひ試してほしい一品です。ピリ辛味なので、夕食はもちろん、おつまみにもおすすめですよ! ■漬け込んでから煮るだけで手羽元が衝撃的な柔らかさに! 手羽元って安くておしいですよね。今回はそんな手羽元と玉ねぎを調味液で漬けて、15分煮るだけの超簡単レシピです。味がしみしみで骨離れもいいから食べやすい! 時間のある週末にぜひ作ってみてください。冷蔵庫で5日間の保存が可能です。 材料 手羽元:8本~10本 玉ねぎ:1個 にんにく:1片 長ねぎの青い部分:1本分 輪切り唐辛子:2本分 しょう油:大さじ3 酢:大さじ3 酒:大さじ2 砂糖:大さじ2 ■作り方 手羽元8本~10本用意します。 手羽元には太い部分と細い部分があるので、太い部分に切り目を入れます。 太く厚みがある部分に切り目を入れます。 包丁が骨に当たるまで2~3箇所切り目を入れます。 にんにく1片は皮付きのまま両端を落として、包丁で潰します。 今回は切らずに潰してかたまりのまま使います。 玉ねぎ1個は縦半分に切り、根元を落とします。 繊維と平行に5ミリ幅の薄切りにします。 長ねぎの青い部分を1本分用意し、真ん中あたりからバキッと折り曲げます。そうすると味が出やすくなります。 煮込む前に、道具を紹介します。 15~20センチくらいの鍋を用意します。今回はフライパンではなく、鍋を使うと作りやすいですよ。また、お酢を入れて煮るので、鍋はホーローやステンレス製がいいですね。なければアルミ製でもいいですが、アルミはお酢で痛む危険があります。 鍋に入るサイズの平皿を何枚か用意します。平皿1枚と重し代わりになるものでもOKです。今回は平皿4枚を用意しました。 平皿をラップで包めば準備OKです。 材料を鍋に入れます。 薄切りにした玉ねぎの半量を入れます。 鶏肉をすべて入れます。 残りの玉ねぎを入れます。 にんにくを入れます。 調味料を加えます。 しょう油大さじ3、酢大さじ3、酒大さじ2、砂糖大さじ2を入れます。 手でもみ混ぜます。玉ねぎが折れても大丈夫です。素手がいやな方は手袋をしてくださいね。 輪切り唐辛子2本分を加え、長ネギの青い部分も入れます。 鍋ではなく、ジップロックなどの袋で漬け込んでもOKです。 材料が全部入ったら、時間を置き、漬け込みます。ラップでぐるぐる巻きにした平皿を、重石として肉に乗せます。 ここが今回の“ちょいコツポイント”です! 『肉と野菜を調味液に漬け込んでから煮る』 漬け込んでから煮ることで、味が濃く、肉が柔らかくなります。 平皿で重石をして、水分が出るまで1時間半ほどこのまま置いておきます。例えば、朝ここまで仕込んで夕方になったら火にかける、という食べ方がオススメです。 夏などの暑い時期は冷蔵庫に入れて2時間以上漬けてくださいね。 漬け終わったら様子を見て、重石の平皿を取ります。漬ける前に、平皿を巻いたラップに時間を記入しておくと、何時間漬けたかわかりやすいですね。 具の水分がしっかり出て、肉の表面まで浸っていればOKです。もし水分が少なければ、肉がかぶるくらいまで水を足してください。 フタをして中火にかけます。 沸く音がボコボコしてきたらフタを取ります。 沸騰していたら再びフタをし、弱火で10~15分ほど火が通るまで煮ます。アクはほとんど出ないので、取らなくて大丈夫です。 肉に火が通ったらフタを取ります。長ねぎの青い部分は食べないので、取り除きます。 上下を返して少し煮ます。箸で肉を触るとほぐれそうになるくらい柔らかくなります。 盛りつければ「手羽元の無水甘酢煮」の完成です! ■試食 作っているときから幸せないい香りがしていました。 柔らかいですね! 玉ねぎとお酢ベースの調味液で漬け込むことで、鶏肉が柔らかくなります。味もしっかり染み込んでいます。 漬け込んで火にかけて煮れば味が決まります。今回は8本で作りましたが、倍量にして常備菜にするのもいいですね。ぜひ作ってみてください! 今回、教えてもらった「手羽元の無水甘酢煮」について、気になるポイントをきじまさんに伺いました。 __肉を漬け込むときに、平皿をラップで巻いていましたが、なぜでしょうか? きじまさん:ラップで巻いたのは汚れ防止です。ラップには調味液に漬け始めた時間を書いておくとわかりやすいですよ。 __ジップロックなどで漬ける場合でも、重石は必要ですか? きじまさん:ジップロックで付ける場合も、重石をしておくと効率がいいと思います。 __きじまさんは普段どのような作り置きをしていますか? 夏の食材で教えてください。 きじまさん:暑い夏は保存性も悪くなりますし、夏野菜は水分が多くあまり保存に向きませんが、「ピーマンの海苔つくだ煮」や「じゃこなす」はよく作ります。あとは野菜の塩もみや漬物ですね。 きじまりゅうた 料理研究家。 祖母と母が料理研究家という家庭に育つ。 オリジナリティあふれるレシピと、わかりやすいトークを武器に、男性のリアルな視点から考えた「若い世代にもムリのない料理」の作り方を提案。現在は「NHKきじまりゅうたの小腹すいてませんか」「NHKきょうの料理」「NHKあさイチ」「CBCキユーピー3分クッキング」などのテレビ番組へのレギュラー出演をはじめ、WEB・雑誌 上でのレシピ紹介や、料理教室やイベント出演などを中心に活動している。著書『極狭キッチンで絶品!自炊ごはん』(新星出版社)。youtubeチャンネル『きじまごはん』を配信中。 取材・文=ジョッキー