チームのメンバーがすぐに打ち解ける会話のコツ 帰属意識を高めるために最初の顔合わせが重要
強固なチームをつくるためには何が必要なのでしょうか。ディズニー、アップル、アメリカ海兵隊・ネイビーシールズなどの成功チームを研究してきたダニエル・コイル氏の著書『THE CULTURE PLAYBOOK 最強チームをつくる方法 実践編』から一部抜粋・再構成のうえ、お届けします。 ■顔のドアはいつでも開けておく ネイビーシールズのあるベテラン指揮官はこんなふうに言っていた。 「人間の顔はドアのようなものだ。閉じることもできるし、開けることもできる。大切なのはいつもドアを開けておくことだよ」
彼が言っているのは顔の表情のことだ。特に「前頭筋」と呼ばれる目の上の筋肉がカギになる。 眉毛を上げたり、目を見開いたりして前頭筋を活発に動かすと、注意力、エネルギー、熱意、相手に意識を向けているといったメッセージを伝えることができる。 心理学者のクリス・フリスが行った研究によると、目、眉毛、おでこが送り出すシグナルは、顔の下半分が送り出すシグナルよりも「本物で信頼できる」という印象を与えるという(たとえば、口が笑っていても目が笑っていないと、その笑顔は本物ではないと思われる)。
つまり、安全な環境を構築したいのであれば、人体でいちばん大切な筋肉は前頭筋であるということだ。リモートで働いていて、送ることのできる肉体的なシグナルが限られている場合、前頭筋の動きが特に重要になる。 ■会話のきっかけになる話題を用意しておく 強固な文化を持つチームにとって、始まりは単なる始まりではない。それは帰属意識が形成されるきわめて重要な瞬間だ。ここで失敗すれば、帰属意識は永遠に失われてしまう。
そんな彼らが重視するのは、あまりにもありふれていて、あまりにも過小評価されているツール、それは「アイスブレーカー」だ。 アイスブレーカー(氷を砕くもの)とは、初対面の人たちが集まった状況などで、お互いに打ち解けたり、会話のきっかけをつくったりするためのツールのことだ。 あなたもおそらく、初対面のグループで順番に自己紹介をしたような経験があるだろう。お互いに打ち解けるためだということはわかっていても、恥ずかしくてしかたがないと思ってしまう人も多い。