レッドブル&HRC密着:一時的な体制変更のペレスはミスが響き初日12番手。フェルスタッペンも予選に向けた改善を誓う
夏休みに入る直前の8月1日、レッドブルはスポーティングディレクターを務めているジョナサン・ウィートリーの今シーズン限りでの離脱を発表した。 【写真】F1第15戦オランダGPから新たにペレスのレースエンジニアを務めることになったリチャード・ウッド(左からふたり目) ウィートリーは、1990年代にベネトンのメカニックとしてF1の世界に入り、レッドブルがF1に参戦した2005年からスポーティングディレクターとしてチームを支えてきた人物だ。テクニカルディレクターが技術部門のトップなら、スポーティングディレクターはそれ以外の部門のまとめ役で、チームスタッフからの信頼も高い。さらに国際自動車連盟(FIA)やライバルチームとの交渉役も担う重要な役職だ。今年初めにクリスチャン・ホーナー代表がスキャンダルを起こしたときには、後任のチーム代表として名前が挙げられたほどだった。 技術のトップであるエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)に続いて、事務方トップのウィートリーの離脱がレッドブルに与える影響は決して少なくないだろう。 そのレッドブルは夏休みに入る直前に、セルジオ・ペレスの続投を決めた。そのペレスを担当していたレースエンジニアがオランダGPから交代となった。これまで担当していたヒュー・バードがペレスの担当から外れた。ただし、これはバードが他チームへ移籍するわけではなく、バードの妻が出産を控えての暫定的な措置のようだ。 新たにペレスのレースエンジニアとなったのがリチャード・ウッドだ。ウッドはイギリス・スコットランドのストラスクライド大学で機械・自動車工学を修了し、2013年にアナリストとしてレッドブルに加入。レースサポートエンジニア、シミュレーター・パフォーマンス・エンジニアを経て、2021年よりペレスのパフォーマンスエンジニアとして主にセットアップをサポートしてきた人物。したがって、こちらは交代による影響はそれほど大きくはない模様だ。 そのウッドが務めていたパフォーマンスエンジニアにはリチャード・クックが就いた。さらにこのオランダGPにはバードも帯同し、ウッド&クックの新体制をサポートしていた。 オランダGP初日のフリー走行でのペレスは、12番手に終わった。 「今日の結果は12コーナーでミスをしてコースアウトしてしまったせい。コンマ数秒ロスしてしまったので、実際にはもう少しいいポジションにいると思う」(ペレス) チームメイトのペレスと異なるメニューで走ったマックス・フェルスタッペンは、トップ10内に入ったが、5番手に終わった。 「ロングランもショートランもペースが上がらず、今のところどうすれば改善できるか明確な答えは出ていない。ここ数戦は同じような状況が続いているので、驚くことではないが、予選に向けてもう少し調子を上げていく必要がある」 夏休み前最後の1戦となったベルギーGPから3週間。オランダGPでも、レッドブルの苦しい戦いは続いている。 [オートスポーツweb 2024年08月24日]