苦戦が続いた福住仁嶺が新天地でポール獲得「予選でこんなに泣きそうになったことはない」|スーパーフォーミュラ第4戦
“第1回瑶子女王杯”スーパーフォーミュラ第4戦富士に、思わぬダークホースが現れた。Kids com Team KCMGの福住仁嶺が、予選でチーム創設初のポールポジションをもたらしたのだ。 【リザルト】スーパーフォーミュラ第4戦富士:予選タイム結果 福住はホンダ陣営のトップドライバーとして、2021年にはスーパーフォーミュラでシリーズランキング2位に輝いた経験もある。しかし、1台体制のThreeBond Racingに移籍してからは苦戦が続き、今季は心機一転、トヨタ陣営への移籍を決断した。 福住はスーパーフォーミュラのシートが年末まで決まっていなかったようだが、最終的にKCMGのシートを確保。初の優勝を目指すチームからの再出発となった。 開幕戦で6位に入るなど上々のスタートを切った福住だが、まだトップチームとの間には差があると漏らしていた。しかしながら第4戦予選では、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)ら並居るライバルたちを僅差で退け、ポールポジションを獲得してみせた。 「自分としては結果を残せないシーズンが一昨年、去年と続いていました。KCMGも苦労していたチームだと思うので、その中でこういう結果を残すことができ、素直に嬉しいです。こんなに予選で泣きそうになったことはないので」 そう語った福住。普段それほど感情を表に出すタイプではないと語るが、ここ数年スーパーフォーミュラで結果が出ない時期を過ごした福住は、いつも暗い表情をしていた印象が強い。それだけに、今回笑顔で会見に臨む福住の姿は象徴的でもあった。 また会見には、長く同じホンダ陣営のドライバーとして戦ってきた同世代の大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がいたこともあり、福住は前日にボウリングをしたことをSNSで発信していた大湯に「今日もボウリング行くの?」と問いかけ。「今日一緒に行って教えてあげようか?」「ボウリングの筋肉痛が今日の(予選アタックの)セクター3に効いたんじゃない?」と軽口を叩くなど、まさに絶好調であった。 それはさておき、決勝に向けてはロングランなど「正直不安なところも多い」と語る福住。しかし「良い流れを作れているので、最低でも表彰台で終わりたいですし、チーム初優勝をあげたい」として、ハードワークを続けるチームに報いたいと意気込んだ。
戎井健一郎