争奪戦勃発…名門高入りで衝撃「本当に1年生か」 2年生で10番託された逸材タレント
10番を背負う責任感を露わ「試合を決められるような選手に」
この変化は攻撃面の選択肢をより広げた。パスかドリブルかだけではなく、ドリブルからのパス、パスを出したあとの動きの質が一気に向上し、より攻撃の起点として機能するようになった。 プレミアEASTでは18試合すべてにスタメン出場し、2ゴールをマーク。5位につけるチームにおいて強烈な存在感を放っている。選手権予選も準決勝の大一番・桐生第一戦で2トップの一角でプレーすると、1-0のリードで迎えた後半27分にカウンターからセンターライン付近でボールを受けると、そこからドリブルを仕掛ける。その時、顔は前を向いていて、相手の動きと味方の動きを視野に入れながらドリブルコース、パスのタイミング、シュートまで持ち込めるかどうかを見極めていた。 「アグレッシブにプレーをするという前提で見て、いろいろな選択肢を考えていました」 そしてスピードを生かして裏に抜け出そうとしたFWオノノジュ慶吏に対し、相手DFが追わずに自分のところに食いついて来たのを見た瞬間、彼はノールックでオノノジュへスルーパスを通した。オフサイドラインも考えて絶妙なタイミングで出したスルーパスに抜け出したオノノジュが放ったシュートは、相手GKに触れて枠を逸れたが、それで得たCK(コーナーキック)からMF竹ノ谷優駕の2点目が生まれた。 「正直、今日の出来はあまり良くなかった。なんか自分たちのやりたいことができなかった」 3-0の快勝にも納得がいっていない様子だったのは、やはり10番を背負う責任感の表れだった。 「1年の時は自分の好きなようにやっていましたし、もらったパスを決めるというプレーをやっていたのですが、今年はそうはいかない。偉大な先輩たちが今まで積み上げられてきたものがあるので、僕が10番となってそれを損なわないように、さらに積み上げていけるようにしたいし、ふさわしい選手になりたい。だからこそ、周りを生かしたり、ラストパスを出したりすることで、試合を決められるような選手になりたいと思っています」 まだまだ伸び代は十分。黄色と黒のタイガー軍団の10番にぜひ注目をしてほしい。
FOOTBALL ZONE編集部