メールで新年の挨拶はアリ?ナシ?年賀状とメールの使い分け【年末から年始のマナー】
気がつけば年賀状を用意する時期になりましたね。遠くに暮らす親戚や友人、お世話になっている上司への新年の挨拶は、元日に届くよう準備したいものです。でも、年末は忙しいので年賀状を書く時間がなく、メールで済ませている人も多いのでは? そこで、新年の挨拶に関するマナーを、「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に教えてもらいました。 【マンガで確認】鏡餅を飾ったら門松も飾らないといけないの? ■メールもアリだけど同じ文面の一斉送信はナシ 新年の挨拶やお祝いの言葉を伝えるのが年賀状の役割なので、元旦に届くよう準備するのが理想です。 年賀状を確実に元旦に届けるためには、例年12月25日の各ポスト最終集荷までに間に合うように出すことが推奨されています。 元旦には間に合わなくても、松の内と言われる1月7日までに届けば、マナーとしては問題ありません。 ただ、利便性や郵便料金の値上げなどが理由で、最近はメールで新年の挨拶をする人も増えています。 メールでの挨拶は失礼には当たらないのでしょうか? 「相手との関係性に応じて、年賀状とメールを使い分ければ問題ありません。ただし、一斉送信メールで全員に同じ文面を送ったり、年賀はがきをいただいた相手への返事をメールで済ませたりすることは避けたいですね」(岩下先生) はがきもメールもそれぞれメリットがあります。 相手が仕事関係の方なら丁寧な年賀状を送り、義実家に滞在する仲良しのママ友ならメールにするなど、相手やそのライフスタイルに合わせた方法で新年の挨拶を交わし、お互いが温かくすがすがしい気持ちになれればOKです。 また、いただいた年賀状を捨てられずに貯めてしまっているかたも少なくありませんが、住所などを控えた後の年賀状は処分してかまいません。 「捨てるのが申し訳ないと感じるときは、年賀状の束を白い紙に包んで、ゴミ袋のいちばん上に乗せ、少量の塩か酒をふりかけて清めましょう。こうすれば、送ってくださった方への敬意を示せるのではないでしょうか」(岩下先生) *** ちなみに1月7日以降は、年賀ハガキも通常郵便扱いとなって消印がついてしまうため、送るのはNG。1月7日を過ぎてしまう場合は、年賀状ではなく「寒中見舞い」を出しましょう。寒中見舞い用ハガキも、いろいろなデザインのものが販売されていますよ! 教えてくれたのは… ▶岩下宣子先生 「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。 文=高梨奈々