【老齢年金】10月振込分から「年金の手取り」が変わる人がいるのはなぜ?みんなが意外と知らない年金のコト
現在のシニアが受け取っている「厚生年金・国民年金」は平均ひと月いくら?
続いて、現在のシニアが受け取っている国民年金と厚生年金の平均受給額を厚生労働省が公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から確認します。 【国民年金の平均受給月額】 ・男女全体平均月額:5万6316円 ・男性平均月額:5万8798円 ・女性平均月額:5万4426円 【厚生年金(国民年金を含む)の平均年金月額】 ・男女全体平均月額:14万3973円 ・男性平均月額:16万3875円 ・女性平均月額:10万4878円 日本の年金制度は、1階部分の「国民年金」と、2階部分の「厚生年金」から成り立ちます。 前述したように、原則として、国内に住む20歳~60歳のすべての人が国民年金の加入対象です。 会社員や公務員などのサラリーマンは国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入します。 厚生年金加入期間がなかった人が老後に受け取る年金は国民年金のみ、一方厚生年金加入期間がある人は、国民年金と厚生年金の併給となります。 加入している年金によって、将来受け取れる年金額が大きく変わるため、現役時のうちにご自身がどの年金タイプを受け取れるのか、確認しておけると良いでしょう。
まとめにかえて
50歳を超えると、ねんきん定期便に「年金受給見込額」が記載されるようになりますが、この金額は税金や社会保険料が「控除される前の金額」となっています。 老齢年金の受給開始決定以降は「年金振込通知書」で確認することになります。 前章で年金受給額の平均額についてもご紹介してきましたが、年金だけに頼って老後生活を送るのは非常に難しいと言わざるを得ません。 年金だけに頼らない自分だけの「老後のプラン作り」が重要になってくるでしょう。 近年、物価の上昇によってお金の価値がどんどん目減りしています。また、平均寿命が延びていることで「人生100年時代」ともいわれています。 長生きすることはもちろん喜ばしいことなのですが、生きていくためには当然ながらお金が必要です。 老後に向けて多くのお金を準備しようと、資産運用に取り組む現役世代の人たちも増えてきています。 しかし、あまりリスクの大きい手段をよくわからないまま取り入れることはおすすめしません。 資産運用は、事前に情報を集め、自分に合った方法で取り組みましょう。 日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。 ●年金の主な種類と仕組み 日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。 国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。 国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。 ●「繰下げ受給」とは? 受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」。これは、年金の受給開始年齢を遅らせることで増額するものです。例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となり、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。 ●年金を増やす方法はある? 将来の受給額を増やす方法はいくつかあります。 自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払ったり、厚生年金に加入する働き方に切り替えたりすることも一つの方法です。
参考資料
・厚生労働省「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」 ・厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」 ・厚生労働省「介護保険制度の概要」 ・厚生労働省「高齢期における年金制度」2023年10月24日 ・豊中市「公的年金からの特別徴収額が10月から急に高くなったのはなぜですか」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
荻野 樹