お椀の蓋はどう開けるのが正解? 殻つきの海老を手で剥いたらマナー違反? 【和食のマナー】大人の品格マナー講師・末永貴美子さんインタビュー
お椀の蓋の開け方は?
お正月にお雑煮などのお椀をいただきますが、お椀のいただき方に自信がない方は多いようです。まず蓋を開ける際は、左手にお椀、右手で蓋を持ち、軽く「の」の字を描くように時計回りに持ち上げます。蓋を傾けることで、裏側の水滴を椀に落とします(露切り)。蓋を開けたら両手で扱い、蓋の内側が上を向くように持って、右側や向こう側に置きます。お椀は出汁を味わうお料理ですので、いきなり具から食べずに、まずはお出汁を一口いただき、それから具をいただくようにしましょう。食べ終わったらお椀の蓋は元通りに戻します。ずらしたり、裏返しにしたりはいたしません。
1.利き手と反対の手でお椀を押さえながら、利き手で蓋を外す
2.露切りをして、蓋は裏返して右側に置く
3.食べ終わった後は、お椀を押さえながら、食べる前と同じ状態になるよう蓋をかぶせる
お椀の美しい食べ方は?
お雑煮などのお椀ものは必ず持ち上げていただきましょう。また、お椀は両手で扱いますので、お椀とお箸を同時に持ち上げることはありません。お椀を食べる時は、先に両手でお椀を持ってから、次にお箸を持ちます。反対に、お椀を下ろす時は、先にお箸を置いてから、両手でお椀を下ろしましょう。
1.両手でお椀を持つ
2.利き手と反対の手でお椀を持ち、利き手でお箸を上から取って持ち上げる。
3.お椀を持っている手の人差し指と中指で箸の先の方を挟み込むようにして持ち、利き手をすべらせて、箸を持ち替える
食べる時は、先にお出汁を味わってから、その後に具をいただきます。この時、猫背にならないように気をつけて。汁ものは首が前に出るので猫背になりやすいです。あまりかき込むような食べ方をせず、美しい姿勢を保ったまま、美味しくいただきましょう。
お餅はかじって食べても大丈夫?
お餅をお椀の中や小皿の上で切ろうと思ったら大変ですよね。ですから、お餅はかじらざるを得ないと思います。海苔を巻いたお餅などは、手で掴んでかじって食べても構いません。 かじったお餅をお椀やお皿に一旦置く場合は、かじったところの歯形を人に向けないことが大事。歯形がついたほうを自分に向けておきます。いずれにしても、一度口に入れたものをいつまでも置いておくのは美しくないので、できるだけ早めに食べ切りましょう。