【鬼メンタル】一瞬で「ストイックな人」になれるすごい4大鉄則
いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。 ● ストイシズムの「4つの美徳」 人生は、何をもってよい人生となるのか? 古代のストア哲学者たちは、その答えは「美徳」であると考えていた。要は内面的な素晴らしさのことだ。 自分の内面の糧となるもの(ものの見方、品性、道徳的判断)の充実に意識を向けると、深淵で濃密で永続的な幸福感のスイッチが入る。 また、どれほど信じがたいことが自分の身に起きても、美徳に則した行動をとっていれば、平静と目的を見出すことができる。この理想を現実にするには時間と労力を要するが、忍耐と努力によって、誰もが必ず実現できる。 美徳を味気ないものや拘束的なものと思うのは大間違いで、それは人間が成しえることの頂点を表す。 最高の自分を引き出す潜在能力はどんな人にも備わっていて、その力は次の4つの基本的な美徳を育むことで発揮される。 ● 1.知恵─―うわべにとらわれない力 生きていれば必ず選択を迫られる場面に直面するが、知恵があると、心の奥底にある願望や意志を踏まえて決断を下せるようになる。 知恵は、重要なものや争う価値があるもの、引くべきときや進むべきときを教えてくれる。また、知恵はものごとの本質を掘り下げることを促すので、うわべにとらわれず、限りある時間とエネルギーを有意義なことに向けられるようにもなる。 ● 2.正義─―他人に思いやりを持つ力 ストイシズムの文脈において、正義は「他者への接し方」で語られる。 具体的には、他者に対して敬意をもって接し、よき手本となる行動を示すとともに、人(自分自身を含む)のあいだに優劣は存在しないとの認識を持つことだ。 この正義の原則に従うと、公平で中立的な姿勢や態度になり、場面に応じて寛容さや慈悲の心を示すようにもなる。 また、他者に対して大げさな態度や自己中心的な態度、偏見をあらわにする態度をとらなくなり、自分のことばかり考えるのをやめて、人間全体に共通する経験を意識するようにもなる。 ストイシズムを学ぶことで、かけがえのない親友から世界の反対側にいる人まで、他者のことをより深く思いやれるようになるのだ。 ● 3.勇気─―苦難に立ち向かう力 ストイシズムの勇気には、思考、肉体、精神を困難に耐えうるものに鍛えることがともなう。古代に残された言葉を借りるなら、「勇気にとって重要なのは、立ち向かう力」だ。 たとえつらくても、試練を乗り越えることができるか? 辛苦に耐え、必要であれば過酷な課題を引き受け、味方が一人もいなくても信念を貫き通せるか? ストイシズムでは、こうした問いとの距離を縮めることから勇敢な人生が始まる。 ● 4.節制─―衝動を抑える力 節制は、衝動をコントロールして適度な範囲に留めることを意味する。 この美徳に従うと、表層的な誘惑(肉体的な快楽、報酬、権力、名声)に向かう欲望が消え、内面の充実(自制心や卓越した忍耐)を求めるようになり、永続的な豊かさを享受できる。 節制を重視するからといって、人生におけるすべての喜びをあきらめることにはならない。それどころか、「倫理的で高潔な人間になる」といった真に価値のあることに、大きな喜びを見出せるようになる。 (本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)
ブリタニー・ポラット/花塚 恵