丸紅・リスクマネジメント部 インタビュー ~ 歴史が紡ぐ組織力、必要なのはこれからのストーリーを読む力 ~
―「紅審会」は発足40周年
紅審会は現在でも国内のグループ会社の審査担当者で組織されるボランタリーな勉強会という形で継続している。「よく学び、よく遊べ」を標語に40年続いてきた。 この組織の良いところは、多岐にわたるグループ会社のなかで、少人数で与信管理に取り組んでいる担当者が孤立せずに勉強できる点だ。違う業種に属しながら、同じリスク管理の言葉を話し、同じグループで、同じ方向を向いて取り組むことができるという、多様性と包摂性を備えている。 紅審会はボランタリーな組織なので、縦の指揮命令系統は一切なく、主役はあくまでグループ会社の審査担当者であり、マリックスはその事務局としてサポートしているのみである。参加される方々が中心で、勉強に限らない人的ネットワークも広がり、困った時にはお互いに相談するような関係性も築ける緩やかな自治組織である点が長く続いた一番の要因であり、丸紅グループにとっての大きな財産だと考えている。 今年2月には発足40周年にあたって記念パーティーを開催した。そこでは各信用調査会社の方を招き、トークセッションというかたちのイベントも開催させて頂いたが、こういうことができたのも紅審会ならではと考えている。
―リスクマネジメント部の運営で気を付けている点、人材育成のポイントは
リスク管理の要点はコミュニケーションだと思っているので、基本的に「何でも言う」という点は気をつけている。 丸紅の企業文化として、思ったことはその場で喋るという文化がある。商社としての成り立ちの過程で他社に追いつけ、追い越せで育まれてきた風土かもしれない。 人材育成には日々悩んでいるが、なるべく早い段階でタフなミッションを与えることが重要と感じている。それが貸し倒れリスクに伴うミッションか、それ以外のものかという違いはあるかもしれないが、企業買収する際のマネジメントインタビューであれ、与信管理での訪問調査であれ、基本的な部分やベースとして必要となる技術は同じ。 なるべくリスクの濃いところでタフな経験をさせ、ライフイベントに先立ったスキルやキャリア形成が早め早めにできるように心掛けている。