北朝鮮がICBM級ミサイル、高度・飛行時間は記録更新-日本政府
(ブルームバーグ): 日本政府は31日、北朝鮮が少なくとも1発の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイルを北東方向に向けて発射し、北海道奥尻島西方約200キロメートルの日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと発表した。飛行高度と時間が過去の記録を更新しており、新型かどうかを含めて情報分析を進めている。
中谷元防衛相と林芳正官房長官が同日、記者会見などで明らかにしtた。ミサイルは午前7時11分ごろ、高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で発射されたとみられ、同8時37分ごろ落下したという。飛距離は1000キロメートル、最高高度は過去最高の7000キロメートルで飛行時間は過去最長の約1時間26分。
中谷氏は「これまでのミサイルで一番長く時間が飛んでおり、従来のミサイルとはまた別のミサイルではないかと思う」との見方を示した。林氏は「新型の弾道ミサイルであったかどうかを含めて詳細を分析中だ」と述べた。
弾道ミサイルの発射なら9月以降で3回目。同月12、18両日は複数発発射したが、いずれも日本のEEZの外側に落下した。北朝鮮は10月に入ると平壌上空に無人機を飛ばしたとして韓国を非難し、南北を結ぶ道路の北側の一部区間を爆破するなど挑発行為を活発化させている。米大統領選を来週に控え、北朝鮮が核実験を検討しているとの報道もあり、日米韓は警戒を強めている。
政府は31日午前、国家安全保障会議の4大臣会合を開催し、今後の対応について議論した。林氏はその後の記者会見で、北朝鮮の対応について「各種ミサイルの発射や核実験の実施を含め、さらなる挑発行為に出る可能性はある」と語った。
米政府も強く非難
韓国国防省は、北朝鮮が31日に正体不明の弾道ミサイルを東海(日本海)上に発射したことを確認。ミサイルの種類や飛行距離など詳細を分析中だとしている。韓国の聯合ニュースは韓国軍合同参謀本部の情報として、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を高角発射したと推定されると報じた。