「また海外だけかよ」せめてキャシュカイe-POWERだけでも日本で売ってもよいのではないだろうか?
■現地で高く評価されているe-POWER 2024年には新フェイスも取り入れられた
現行型のキャシュカイは2021年に登場、2022年にe-POWERが追加されました。日本でもエクストレイルに搭載されている1.5L 可変圧縮(VC)ターボが採用されており、高速道路でのアベレージスピードが高く、より高い走行性能が求められる欧州においては、必要十分なパワーユニット。実際、現地での評価も高く、「News UK Motor Awards 2024」で最優秀賞パワートレイン賞も受賞しています。
2024年にはビッグマイナーナーチェンジが実施され、大きくデザインが変更に。日産がしばらく採用していた「Vモーショングリル」が廃止され、日本の甲冑の「うろこ模様」からインスパイアされたという緻密で繊細な模様が全体に配置された新しいフェイスとなりました。
日本の「ノートオーラ」と似た雰囲気の新しいフロントフェイスは、光沢のあるブラック塗装で仕上げられていることで、見る角度によって高級感のある光を反射し、個性的な表情。ヘッドライトの形状も、よりシャープなものに変更され、ライトの下にはグリルと同じ「カンマ」形状のデイタイムランニングライトが配置されています。
インテリアも、上級グレードにはアルカンターラ素材が採用されており、最新のコネクテッド技術、安全運転支援システムも、もちろん搭載されています。
■日産のコンパクトSUVは、キックスで大丈夫なのか!?
冒頭でも触れましたが、日本の日産ラインアップにおけるSUVは、キックスとエクストレイルのみ。SUVが主流になりつつある昨今においては、選択肢が少なすぎる状況です。新しいフェイスとなったキャシュカイはインパクトも十分あり、e-POWERモデルも設定されたのですから、ぜひとも日本に導入してほしいものですが、いまの日産は、そこまで手が回らないのでしょう。
ただ、キックスのe-POWERは割高感があるといった悪評が出てきてしまっているだけに、より高級感のあるキャシュカイのほうが総合的に高評価につながる可能性もあるのでは、と筆者は考えます。 もちろん円安が続くなかでは、日本での生産が叶わなければ価格を抑えることも難しいでしょう。が、今後キックスが劇的に販売数を伸ばしていくのは、かなり厳しいといわざるを得ません。ただ、このキャッシュカイならば、その穴を埋めてくれるかもしれません。ぜひとも日本導入を期待したいです。 Text:立花義人、エムスリープロダクション Photo:NISSAN