緊急事態宣言が延長 「感染減少の加速」へ何に気をつけるべきか?
●今は「感染対策に集中すべき時期」
緊急事態宣言は経済に大きな影響を与えます。今回も宣言が延長されたことで、経済へのダメージを懸念する声があります。「経済と感染症対策のバランスをどう考えるか」。会見では記者からこんな質問も出ました。 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長などを歴任した尾身会長は、自身がかつて対策に関わったSARS(重症急性呼吸器症候群)の事例を振り返りながら、こう答えました。 「ある状況になると、経済よりも感染(対策)に重点を、ある意味100%移さないといけない時期が来る」 そして「今はまさにその時期」だと強調しました。 「経済だけ」「感染対策だけ」ということではなく、「感染症対策は、常に状況によって対策を変えないといけない」。経済的には厳しい状況なのは理解しているが、中途半端な感染対策で済ましてしまうと「かえって経済にもよくない」との見方を示しました。 「状況によって、ある程度(経済に)バランスを取っていい時期もある。でも今の状況は、ある意味で感染症対策『だけに』と言ってもいい。それに集中することが、結果的には経済の再生にも早道になると思っている。今は感染の減少のスピードを加速させることに、みんなで集中するべきだと思う」と協力を呼びかけました。