【大学野球】早慶戦で本塁打を放った清原正吾 「達成感」に聞こえるコメントの一つひとつ
家族のために再開した野球
【11月9日】東京六大学リーグ戦第9週 慶大9-1早大(慶大1勝) 慶大の不動の四番・清原正吾(4年・慶應義塾高)はなぜ、野球をしているのか。目的の一つは、家族のためである。神宮球場のスタンドにはいつも西武、巨人、オリックスで通算525本塁打の父・清原和博さんの姿。清原が打席に立つたびに、手を合わせている。 【選手データ】清原正吾 プロフィール・寸評 取材メモを振り返ると2021年5月31日、早大とのフレッシュトーナメントに行き着く。2020年、新型コロナウイルスの影響により、部活動が停止。高校3年生のアメリカンフットボール部員だった清原は、この期間に「弟(勝児さん)とオヤジ、家族で練習したんです。僕自身、野球が好きなんなんだな、と。大学ではやろうかな、と思いました」と、決意を固めた。中学時代はバレーボール部。6年間のブランクがあったが、白球への熱意に、慶大・堀井哲也監督は入部を快く受け入れた。 「父は(大学入学前に)打撃をいつも優しく教えてくれた。指導も分かりやすく、自慢のオヤジです。母(亜希さん)は高校までお弁当を作ってくれ、部活のサポートをしてくれた。尊敬している」 1年後の2年春(5月31日)。初めての複数安打、初打点を挙げた東大とのフレッシュトーナメントでは、さらに踏み込んだ発言をしていた。1年春、秋は背番号25だったが、2年生になり、自身で選択できるということで「5」をセレクトしている。 「自ら希望しました。自分のカッコいいオヤジの背番号(巨人、オリックス時代)ということもありますし、大学から野球を始めると決めた以上は親孝行したいと思ったので、5を着けました」 そして、最終学年を控えた今年1月10日。新年の練習始動日に「プロ志望」を表明した。「大学で6年ぶりの野球。他の競技から転向して、結果を残した例はあまりないと思うんです。チームとして目指している日本一の目標とは別に、(プロは)もう1個の目標としている。第一人者として、証明できたらいい」 同期の4年生は就職活動真っ盛りも、清原は「終わった時に後悔しないように、一日たりとも無駄にできない。限界まで体を追い込みたい。野球漬けの1年にする」と、野球一本で勝負することを語っていた。「中途半端ではなく、ここで一つのことをやり遂げることが、今後に生きる」