なぜドイツには「孤独だと嘆く老人」がいないのか…死の瞬間まで「幸せでいられる高齢者」3つの共通点
■老人ホームにも「孤独」はついてくる 母を2年前に亡くし、同じころ、かわいがっていた飼い猫も看取りました。77歳のいまは完全な一人暮らしです。20代で離婚して以来ずっと独身なので、一人で生きる覚悟はできていたつもりでした。しかし、いざ母がいなくなると、「本当にひとりぼっちだな」という強烈な孤独感が襲ってきたのです。 【図表】年を取っても元気で幸せな人の3つの共通点 いまはまだありがたいことに仕事があるけれど、やがてそれも失えば、本物の孤独な老人になってしまう――。 そう思うとじっとしていることができなくて、実はこの2年間、ずいぶん有料老人ホームを見てまわりました。ひとり身の先はもしかして、老人ホーム暮らしかなと。しかし、こどものころから集団生活が苦手な私です。孤独だからといって、自分を変えることができるのか。「ひとりを強く生きる」を提唱している私が弱気になってどうするの? もう、頭の中がぐちゃぐちゃに。 ずいぶんと悩んだ末に、私が出した答えは「これからもひとりで生きていく」。老人ホームでお世話をしてもらっても、孤独はついてくるものです。 私はNPO法人SSSネットワーク(ひとりの老後を応援する会)の活動を通じて、1000人以上の高齢者を見てきました。わかったことは、結局、人は老いればみんな不安になるし、孤独だということです。家族がいても、お金があってもほとんど関係ありません。 それでもネガティブになる必要はないのです。「認知症になるのが不安」という人たちに言いたいのは、マスコミは誰もが認知症になるようなことを言うけれど、元気に一人暮らしをしている高齢者は意外と多いのです。 私のいちばんの友達は94歳ですが、いたって頭脳明晰です。さらに、私が「この本、よかったよ」と言うと、次の日には買いに行くほどの好奇心と行動力。さすがに走りはしないけれど、歩くぶんには何の不自由もなく、筋トレまでしています。みんながみんな、老人ホームで寝たきりになっているわけじゃない。大先輩の話に耳を傾け、実態を知ることは大事です。