島根原発2号機、12年10カ月ぶりに再稼働 中国電力 東日本大震災後14基目
中国電力は7日、島根原発2号機(松江市)の原子炉を起動した。東京電力福島第1原発事故後の平成24年1月に停止して以来、約12年10カ月ぶりの再稼働となる。福島第1と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、今年10月に再稼働した東北電力女川原発2号機(宮城県)に続き、同型炉では2基目。東日本大震災後、国内で再稼働した原発は14基目となる。 中国電によると、原子炉の起動後、2時間をめどに核分裂反応が安定的に続く「臨界」に到達する見込み。計画通りに進めば、送配電網に電気を送る発電再開は12月下旬の見通しで、原子力規制委員会の使用前確認を経て来年1月上旬から営業運転に入る。 島根原発は3基の原子炉があり、2号機は出力82万キロワット。1号機は廃炉が決まり、3号機は建設中。県庁所在地に立地する唯一の原発で、30キロ圏内に約45万人の人口を抱える。圏内人口は日本原子力発電東海第2原発(茨城県、約92万人)、中部電力浜岡原発(静岡県、約82万人)に次いで3番目に多い。 中国電は平成25年12月、2号機の安全審査を規制委に申請。施設の耐震補強や最大11・9メートルの津波を想定した高さ約15メートルの防波壁、電源の多重化などの安全対策工事を今年10月に完了した。総費用は島根原発全体で約9千億円を見込む。